まるでブンブン丸だ。ヤクルト浜田太貴外野手(20)が、フルスイングで猛アピールを続けている。5-6で迎えた7回無死一、二塁の2球目。内角低めの直球をかち上げた。池山2軍監督の現役時代をほうふつさせる豪快なスイング。打球は左翼中段ポール際に突き刺さった。2戦連発となる3ランに「ノーサインだったので思い切って打ちにいった。いいスイングができた」と満足げだった。

1軍スタートとなった昨年キャンプ。村上のフリー打撃に若手たちがくぎ付けになっている中、浜田はあえて見なかった。「村上さんのように飛ばしたいと思ったらダメになる。自分のことに集中したい」。強烈な打球を放つ主砲を背に、冷静に自分を見つめた。心がけるのは、常に強く振ること。直球を打ち返す練習に黙々と取り組んできた。だからこそ3回に村上が特大2ランを放っても、自分のフルスイングを貫ける。直球を引っ張り、成果を発揮した。

昨季は33試合に出場し、プロ初安打を含む3本塁打。ブレークの兆しが見られたが、今季のキャンプは2軍で過ごした。悔しさを晴らすかのように、3日から1軍に合流すると、オープン戦7試合で3本塁打7打点。試合終了時点で12球団中2冠に躍り出た。結果に満足せず、納得のいく打撃ができるように、試合後も観客が去った神宮で特打。徹底的に振り込んだ。「自分のできることをやるだけと意識している」と貪欲に、開幕スタメンの座を狙う。【湯本勝大】

 

◆浜田太貴(はまだ・たいき)2000年(平12)9月4日生まれ、北九州市出身。明豊では2年夏に甲子園8強進出。18年ドラフト4位でヤクルト入団。昨季は33試合に出場し、3本塁打、7打点、打率2割。9月20日広島戦では球団史上最年少で先頭打者本塁打をマーク。今季推定年俸750万円。177センチ、81キロ。右投げ右打ち。

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