3冠や!阪神青柳晃洋投手(27)が6連勝で、リーグトップタイの8勝目を挙げた。

「いい守備ばっかりだったので、本当に野手の方に助けられて、何とかゼロに抑えられたという感じです」。9連戦初戦で8回を投げ抜き、5安打無失点。完璧な仕事ぶりだった。

じめじめした暑さにも、食らいつくヤクルト打線にも負けなかった。2回は主軸にファウルで粘られ、要した球数は計30球。先頭の村上に四球を出すも、オスナを8球目のツーシームで遊ゴロ併殺。根気強く低めに集めた。

「前回はフライアウトとか三振が多かったですけど、神宮はゴロを打たせるというのを意識して」。6月29日(甲子園)の対戦では、自己最多9三振を奪い7勝目を挙げていた。この日は11個のゴロアウトを奪う自身のスタイルで、2週連続の圧倒的な投球。8回には自ら志願して打席に向かい、頼もしさは一層増した。

前日5日、またうれしいニュースが届いた。監督推薦で2度目のオールスター出場が決定した。青柳の記憶に残る一戦は、06年の阪神藤川が西武カブレラに挑んだ伝説のオール直球勝負。「阪神の試合が関東ではあまりやらなかったので。あんな真っすぐを投げる投手いるんだーって感じで。プロすごいなーって思って見てた」。当時中学生の青柳にとっては、まさにテレビの中の世界。初出場した19年も「阪神ファンじゃない人でも野球ファンがみんな見る試合。少しでも見てもらって目に留まれたら」と、どこか控えめだった。そこから五輪代表に選出されるまでに進化。「テレビの中の世界」で、注目される側になった。

防御率は1・83まで下がり、勝ち星、勝率の3冠に輝く。矢野監督も「完璧やね。申し分ないね。本当にヤギ自身が成長をしっかり感じられるような投球が続いているんで、むちゃくちゃ頼もしいね」と大絶賛。12日からのDeNA戦(甲子園)が、五輪前のシーズン最終登板。もう負ける気がしない。【磯綾乃】

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