5回の攻撃中に阪神がヤクルトからサイン盗みを疑われた。

5回2死一、二塁。ヤクルト田口が打者佐藤輝に初球を投げる際、二塁走者近本が左手を真横に伸ばしたり、膝元でヒラヒラと動かした動作に疑惑がかけられた。三塁手村上が審判にアピール。名幸球審が疑わしい動作はやめるように注意すると、ヤクルトベンチから「動くな!」と声が上がり、阪神が「絶対にやってない」「ごちゃごちゃいうな」と応酬。場内は騒然となった。怒号が飛ぶ中で2球目の後、矢野、高津両監督が審判団の前で約2分間、考えをぶつけ合い、事態は収まった。

試合後、矢野監督は「二塁走者の近本が何かサインを送っているとか、勘違いして言ってきた。オレは現役時代から1回も(不正を)自分自身やったことはない。そんなズルをして優勝したとして、オレはそれで喜べないし、胸を張って勝ったと言えない。一番そういう野球はしたくない」とサイン盗み疑惑を完全に否定した。

二塁走者近本の動作で、球審から注意を受けたことは事実。矢野監督も「向こう側からすれば、そういうふうに見えた部分もあったんじゃないかというのも、コーチ陣の話では確認できた。紛らわしいというのは、こっちも改善しないとダメな部分もあったのかもしれない」と誤解を招くプレーを改善していく考えを示した。「今後もうちは絶対にやらない」。正々堂々と16年ぶりのリーグ優勝を勝ち取る。【石橋隆雄】

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