日本ハム栗山英樹監督(60)が24日、急性腰痛で2軍調整していた中田翔内野手(32)が25日から1軍に合流することを明かした。この日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で行われた全体練習に参加した栗山監督は、約1カ月半ぶりに対面する中田とじっくり話し合うことを示唆。腰の手術にも言及するほど不安が拭えていない主砲の思いに耳を傾けながら、指揮官としての思いも伝えるつもりだ。

   ◇   ◇   ◇

栗山監督は、きっぱり言った。急性腰痛で離脱している中田について「状態は上がっていると聞いている」。25日の全体練習には、中田を含めて「何人か合流させるよ」と明かした。中田の1軍合流は、6月8日阪神戦以来となる。

状態に問題がなければ、27日からの広島とのエキシビションマッチ(マツダ)も参加する流れとなりそう。だが中田は22日の2軍戦に出場後、腰の不安が消えていないこと、手術の選択肢もあることなど、悩める胸中を明かしていた。

栗山監督 じゃあ、話してみる。明日。本人が本当に(手術)したいのならね。本人に言うのは、ここからが大事だということ。もう1つ長く野球をやるためには体も技術も上げないといけない。そこに対しては厳しく言っているし、やるつもりなので。本人のために。

なかなか精神的に吹っ切れない主砲に、大胆な提案をする可能性にも触れた。「思いっきり外野とか他のポジションもやれって言ってみようかな」。近年のように、一塁やDHでの起用が続けば、体力的に落ちてくる。「この体で走り回れないといけない。自分の重さを速く動かせなくなったら野球は終わりなんで」。本人のためを思い、さまざまな復帰プランを描いている。

この日の中田は予定していた2軍戦出場を取りやめ、鎌ケ谷の室内練習場で志願の打ち込みを行った。早期完全復活へ本人も試行錯誤を続けているが、指揮官も思考を巡らせている。【木下大輔】

○…栗山監督が東京五輪の開会式をテレビ観戦。「感動したなぁ」と振り返ったのは、聖火リレーで巨人長嶋終身名誉監督、ソフトバンク王会長、松井氏が登場した場面だ。「長嶋さんをゴジ(松井氏)が支えながら王さんと出られた時、すごく感動した。王さん、長嶋さんがいたおかげで我々は野球をやらせてもらっている。少しでも恩返しなきゃって思った」と、野球界の偉大なレジェンドの雄姿を見て心新たにしていた。