「Vの使者」が甲子園に帰ってきた! 阪神高橋遥人投手(25)が、9日ヤクルト戦(甲子園)で今季初先発する。昨年11月1日DeNA戦以来、312日ぶりの1軍戦登板だ。

「何もできていないので、目の前の試合に集中して、1つでも多くチームの勝ちにつながるようなピッチングをできるように頑張りたいです」

プロ4年目を迎える今年は、左腕エースとしてフル回転が期待されたが春季キャンプ中に離脱。前半戦に貢献出来なかった悔しさと、終盤戦への覚悟がにじみ出た。

これまで上肢のコンディション不良で2軍でリハビリを続けていたが、7月25日のウエスタン・リーグ中日戦(鳴尾浜)で5カ月ぶりに実戦復帰。その後6試合に登板し17回1/3を1失点。防御率0・52と抜群の安定感で、順調な回復ぶりを見せた。

「体は大丈夫ですし、1軍ではそういったことを考えながら投げるというよりは、とにかく思い切って投げて結果を出せるように」

復帰を待ち望んでいたのは高橋本人だけではない。ポテンシャルを知る矢野監督は大きな期待を口にした。「どこで帰ってきてくれても戦力になってくれる投手だと思っている。遥人らしく投げるのを楽しみたいと思います」。チームは前カード巨人戦(甲子園)で、2勝1分けと勝ち越し首位奪還。先発の切り札の快投でさらに勢いに乗りたい。

6日には高橋も甲子園で投手練習に参加し、久しぶりのマウンドの感触も確かめた。昨年の球場別の防御率は、本拠地が断トツの1・47。唯一ヤクルトと対戦した9月1日も7回1失点と好投している。

「一昨年、昨年と1軍で投げさせてもらった経験を生かして、期待に応えられるように頑張っていきたいと思います」。昨季5勝を挙げた実力は折り紙付き。思いのこもったボールで打線を封じ込める。【磯綾乃】

 

阪神金村投手コーチ(高橋について)「彼のすごさはみんな分かっていますし、本人は変なプレッシャーに感じずに、背負うのではなく、思い切って大胆に遥人らしく投げてもらいたいなと思います」