<セ・CSファーストステージ:阪神2-4巨人>◇第2戦◇7日◇甲子園

阪神がクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージで敗退し、怪物ルーキー佐藤輝明内野手(22)が、プロ1年目のシーズンを終えた。前日のベンチスタートから、この日はプロ初の「8番右翼」でスタメン出場。2回1死二塁の第1打席では、CS初安打となる左中間への先制適時二塁打を放った。3打数1安打1四球1打点で、今季ラストゲームを終えた。

「負けてしまったので、本当にただただ悔しいという気持ちです。ファンの方々の熱も感じましたし、力になりましたが、みなさんの目の前で勝つことができなかったことが悔しいです」と振り返った。

ジェットコースターのように、調子の上下動が激しいプロ1年目だった。開幕2戦目の3月27日ヤクルト戦(神宮)で、プロ初安打となる1号2ラン。5月28日西武戦(メットライフドーム)では、新人では58年長嶋茂雄(巨人)以来の1試合3本塁打を放ち敵、味方、ファンの度肝を抜いた。前半戦だけで20本塁打をマーク。優勝争いを繰り広げるチームの快進撃の中心となった。

後半戦に入り、8月19日DeNA戦(東京ドーム)では23号ソロで、69年田淵幸一の球団新人最多本塁打記録を更新。ただ、長いトンネルにもぶち当たった。8月21日の中日戦(バンテリンドーム)を最後に、NPB野手最長の59打席連続無安打。178三振はプロ野球歴代ワースト5位の記録で、新人では歴代最多。豪快な1発もあれば、相手バッテリーの術中にハマり、バットは何度も空を切ってきた。

「良い時も悪い時もあって、本当にいろいろなことを経験させていただきましたし、その全てのことを今後に生かさないといけないと思います。明日から来年に向けて自分として何が足りなかったかをしっかり考えてやっていきたいです」。さらなる進化へ向けて、収穫と課題を数多く手にしたシーズンだった。