広島ドラフト2位で三菱重工Westのエース森翔平投手(23=関大)が先発し、8回1失点の快投を見せ、勝利に貢献した。「粘り強く投げられて、何より勝てて良かった。途中からどんどん(状態が)上がってきた」と振り返った。

最速150キロ左腕が真骨頂を見せたのは走者を背負った場面だ。1点を勝ち越した直後の4回2死二塁は外角低め148キロ速球で見逃し三振に仕留めた。7回も2死一、二塁で外角低め145キロ速球で見逃し三振に片づけた。いずれも直前の球が右打者の懐をえぐる内角速球だ。「左投手なので、あの球が大事になってくる。いいところで投げられた」。クロスファイアの球筋が伏線になり、ピンチ脱出につながった。

すでにプロの目線を指南されている。元巨人、中日捕手で来季は中日2軍バッテリーコーチに就く小田幸平ヘッドコーチ(44)に「生命線の右バッターへのインコース」と助言を受け続けてきた。「投球から意識していて(今日も)間違いなく投げられた」と感謝する。森は続ける。「1戦1戦、1つずつ勝って優勝を目指したい」。この日は140キロ台後半の速球を軸に、カットボールやカーブも駆使して抑えた。3安打8奪三振で圧倒。広島入りを前にして、大きな手土産をつかみにいく。