ロッテ岩下大輝投手(25)が143イニング以上は右腕を振り続け、北陸シリーズ復活の機運を高めることを誓った。

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23日、ZOZOマリンで自主トレを公開。昨季は自己最多の8勝、120イニングに達した。2ケタ勝利という先発ローテとしての勲章も見えるが「2ケタはできるならしたいという感覚しかなくて、規定(投球回数)に乗りたい気持ちが強い。規定に乗る投球を続ければ勝手に勝ちはついてくる」と目標は1点だった。

8勝の自己評価は厳しい。後半戦は0勝に終わり、7回を投げ抜いたのも1度だけ。対照的に同世代の小島は3完投2完封と完投型投手への歩みを進めている。「まずは(初)完投もしたいし、完封も1回はしてみたいというのが本心。小島を見ていて、完投をできるべくしてやっている。僕に全然足りない部分を小島が持っていた。後半戦の小島の活躍は刺激になった」と後ろ姿に学んだ。

今季は投球回への価値も高まる。3年ぶりに延長12回制となり、先発ローテはより1人でも多くマウンドに立つことを求められる。「計算できる投手にならないといけない。去年みたいに5回で降りる試合をまずはなくしたい」と使命感を胸に刻んでいる。

先発としての壁をぶち破り、故郷に錦を飾る。昨年末に石川・内灘町の「ふるさと大使」を委嘱され、野球教室も開いた。岩下自身は星稜高に入り、同校OBで近鉄、オリックスなどで活躍した山本省吾、元中日の西川健太郎らに対面するまでプロ野球選手に会ったことがなかった。「僕が小学生のころは生でプロ野球選手と触れあえる機会がまったくなかった。そういう活動がしたいというのもあった」と一肌脱いだ。

チーム内には同じ石川県出身の角中や田中、隣県の富山県出身の石川、西野と北陸出身者が多い。18年5月には富山でオリックス戦が行われたが、石川県では05年7月26日の西武戦(金沢)が最後となる。「石川県まで試合に見に来るのはなかなかの労力がいるので、僕らの方から向かってやれるのは非常に魅力的だと思う。できれば最高ですね」。近い将来の地元凱旋(がいせん)を右腕で切り開く。【広重竜太郎】