広島が1月31日、広島から陸路で宮崎・日南市に移動した。感染拡大を予防するため、例年と移動手段を変更。同27日以降、チーム内で陽性者が5選手出たこともあり、厳戒態勢でのキャンプ地入りとなった。この日、キャンプメンバーの変更も発表された。それでも佐々岡真司監督(54)は毅然(きぜん)とした態度で、思い描くチームづくりにまい進することを誓った。

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キャンプ地・日南までの道のりは例年と違った。例年であれば福岡を経由して空路だったが、今年はコロナ対策で一般客との接触を減らし、チーム内での距離感を保つため、陸路を選択。広島から新幹線を2便に分け、熊本・新八代駅まで行き、そこから宿舎までの約170キロは2時間以上もバスで揺られた。1台20人程度で3台に分散させて距離を取り、万全の感染対策をとってキャンプ地入りした。

佐々岡監督 コロナ、コロナと、世の中は暗い話ばかりなので、我々は変わることなく、野球を通して皆さんに元気、勇気を与えるのが使命だと思います。我々は今年は優勝するんだという気持ちを全員が持って、明日からのキャンプに向けて頑張っていこうと話しました。

バス移動の疲れも見せず、指揮官は胸を張った。広島の雲行きが変わったのは、キャンプイン目前の1月下旬。28日のスクリーニングPCR検査で3選手とスタッフ1人の計4人が陽性判定となり、30日の同検査では1選手が陽性判定を受けた。

1軍参加を予定した田中広、西川、木下が陽性となり、上本、野間、大盛を球団独自の判断で「濃厚接触の疑い」とした。さらに坂倉が上半身コンディション不良のため2軍スタートに変更された。野手の離脱が相次いだことで、参加選手の入れ替えを急きょ決めた。2軍スタート予定だった韮沢の1軍スタートがこの日、発表されるなどキャンプ前日まで慌ただしかった。

ようやくキャンプインまでたどり着いた。1軍参加33選手はセ・リーグ最少も、佐々岡監督は「こういう状況なので、人数は少ないですけど、同じ内容で行きます」と毅然(きぜん)としていた。予防対策を徹底しながら、明確なビジョンを持ってチームづくりを進めていく。【前原淳】