プロ野球は1日、各地でキャンプインを迎える。今季限りでの退任を表明した矢野監督率いる阪神の沖縄・宜野座キャンプは、激しいレギュラー争いが待ち受ける。

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昨季は12球団トップの77勝も勝率わずか5厘差で2位。優勝まであと1歩だったチームを一度白紙に戻す。決まっているのは中堅近本だけ。一番の注目は矢野監督が「2人の争いがチームを強くし、本当の4番ができる」と期待する大山と佐藤輝の4番争いだ。

昨季は背中の張りなど故障に泣かされた大山が4番を奪い返すのか。佐藤輝が新4番に座るのか。有観客キャンプの今年は、2人の柵越え競演も宜野座を沸かせそうだ。2人は守備位置もかぶる。本来三塁の大山は左翼にも挑戦するが、右翼が基本の佐藤輝は三塁も志願しており、最終的にどちらが三塁を守るのか。佐藤輝は昨季終盤に痛めた左膝の完治具合も注目ポイントになる。

正妻争いも楽しみだ。国内FA権を行使せず3年契約で残留した梅野VS新主将主将に就任した坂本。ここに長坂が割って入るか。

遊撃手争いにも注目だ。昨季盗塁王の中野が下肢コンディショニング不良で2軍スタート。巻き返しを図る木浪や成長株の小幡に加え、1軍に抜てきされた高卒3年目の遠藤や同2年目の高寺がどこまでアピールできるか。中野不在の期間が大きなチャンスになる。

投手陣の一番の懸案はポスト・スアレスだ。昨季42セーブで2年連続セーブ王を挙げ、メジャーのパドレスへ移籍した絶対守護神の穴を誰が埋めるのか。代役筆頭の新外国人カイル・ケラー投手(28=前パイレーツ)は、コロナ禍の影響で新規入国停止措置が続き来日時期が不透明。昨季「8回の男」だった岩崎も抑え候補だが、矢野監督は「いい意味での想定外が出てきたら」と馬場や石井大、湯浅ら若手の台頭を望む。

開幕投手は昨季13勝で最多勝の青柳を軸に、2年連続2桁勝利の秋山、実績十分な100勝右腕の西勇、10勝左腕の伊藤将の4人で競わせる方針。先発転向の3年目左腕及川、先発復帰を目指す10年目の藤浪も加われば強力な先発陣が完成する。【石橋隆雄】