阪神ドラフト3位の桐敷拓馬投手(22=新潟医療福祉大)が「BIG集中力」で1年目からブレークをうかがう。

言わずと知れた完全試合男。昨秋ドラフト直後、関甲新学生リーグで達成したが、「いつもマウンドに上がる前は緊張する」という。それを集中力に変える決まり事がある。「投球練習が終わって、内野手がボール回しをしてそれをもらって、センターに向いて、帽子を取って目を閉じて…というルーティンを毎回やっています」。完全試合では最終打者をフルカウントとしても、焦らずに見逃し三振。吉野スカウトが「気持ちが常にフラット。一定の感情で投げられる」と評するように、1人ずつ淡々と片付けていく。

20日中日戦で初の対外試合を迎えた。3回に救援登板。ボール回しを終えたマルテから受け取り、いつもの「集中力スイッチ」で打者に向かった。「真っすぐが一番の武器」と左腕は初球148キロでストライクを取り、勢いそのまま11球で左打者3人を完璧に抑えた。内角を突く球の強さ、変化球の切れ、何よりも堂々とした投げっぷり。「中継ぎでも先発でもどこでもいける」と矢野監督の起用構想までスイッチしてしまっている。【三宅ひとみ】