2年目の阪神佐藤輝明内野手(22)が“空振りしない男”になっている。オープン戦開幕戦の中日戦(北谷)に「4番右翼」で先発し、4打数2安打。実戦8試合で打率4割6分4厘と高い数字をキープした。その背景の1つに、20日中日戦の第1打席での空振り三振を最後に、10打席、28球空振りがないというデータがある。173三振を喫した昨季とは、ひと味違っテル!

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“空振りしない男”。三振を恐れずスイングする佐藤輝には似合わないかもしれない。6回の第3打席は2ボールから田島の甘く入った高めの直球を捉え、鋭く一、二塁間を破る右前打。8回は清水の初球内角カットボールをたたきつけ、高いバウンドの遊撃内野安打にした。「しっかり打ちにいって、ボール球を見逃すことができた」。ともにファーストストライクを仕留め、実戦3試合連続のマルチ安打をマークした。

これで20日中日戦の第2打席から10打席、28球空振りなし。「特に意識はしていないですけど、しっかりコンタクトできていいんじゃないかなと思います」。3試合にまたがるこの10打席では6安打を放ち、二塁打、本塁打を1本ずつ含んでいる。打ち取られた打席にも内容がある。この日の初回は左腕大野雄に内角直球で三邪飛だった。それでも「エース級の投手。すごくいい球でしたし、しっかり見えている」と見極められており、状態の良さをうかがわせた。

新人だった昨季は173三振。シーズン歴代6位タイで、球団ワースト記録を更新した。2年目に向けてボールの見極めやミートする確率アップを課題に取り組んできた。1軍キャンプに付きっきりの新任の藤井康1、2軍巡回打撃コーチによる指導も「うまくいい方向にいっている」とプラスになっている。1年前はフリー打撃でバックスクリーンを越す特大アーチを描くなどとにかく飛ばしたが、今季は柵越えよりも自分のスイング、フォーム固めに徹している。

27日ヤクルト戦(浦添)も出場予定。相手先発は奥川で、昨季7打数無安打、いずれも空振りで3三振を奪われている。「変わらずしっかりやっていることを出せたら」。今の佐藤輝は対戦を楽しみに待てる。矢野監督は空振りが少ないことを「それは結果論」と流したが、「メカニック的にも本人もしっくりして、いい意味で2年目の成長が見える」と認めた。実戦8試合で打率4割6分4厘。大山とチームの勝敗を背負う4番を争ってきたこの春、佐藤輝が大きく進化しようとしている。【石橋隆雄】

◆佐藤輝の連続空振りなし◆

▼2月20日 中日戦

第1打席 投手岡野

<1>ボール

<2>ボール

<3>ボール

<4>見逃し

<5>見逃し

<6>空振り三振

第2打席 投手鈴木

<1>ボール

<2>一ゴロ

第3打席 投手大嶺

<1>中前安打

第4打席 投手藤嶋

<1>ボール

<2>ボール

<3>中二塁打

▼2月24日 紅白戦

第1打席 投手小野

<1>ボール

<2>ストライク

<3>遊ゴロ

第2打席 投手浜地

<1>ボール

<2>ボール

<3>右前安打

第3打席 投手湯浅

<1>ボール

<2>ファウル

<3>見逃し

<4>ファウル

<5>ボール

<6>ファウル

<7>右越え本塁打

▼2月26日 中日戦

第1打席 投手大野雄※

<1>見逃し

<2>ボール

<3>ファウル

<4>三邪飛

第2打席 投手岡田※

<1>中飛

第3打席 投手田島

<1>ボール

<2>ボール

<3>右前安打

第4打席 投手清水

<1>遊撃内野安打

【注】※=左投手