まだ、決めない。阪神の開幕投手候補3人が中日戦(北谷)で競演した。西勇は先発で今季初実戦を迎え、1回1失点。初の大役を目指す秋山は2回無失点、昨季「投手2冠」の青柳は2回無失点だった。開幕投手を公表する球団が出始める中、矢野監督は明言を避けた。27日ヤクルト戦(浦添)ではもう1人の候補、2年目の伊藤将が先発する。

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虎の22年の大役の座を争う役者3人が、沖縄・北谷のマウンドに集結した。開幕まで1カ月を切り、内容、結果が求められる中、3人とも満点快投!… とはいかなかった。中日戦後、矢野監督は開幕投手の話に及ぶと「まだ決めない」と一言。オープン戦が進んで…という質問を遮り「決めない」。内容を見ながら決めるのか聞かれてもも「決めない」の一点張り。明言を避けた。

先陣を切ったのは今季初実戦の西勇輝投手(31)。三重・菰野高の後輩、先頭岡林に右翼線へ二塁打を浴び、2死三塁からビシエドに左前適時打。最少失点でとどめた。当初は2イニングの予定も、右手の指の豆がつぶれた影響で1回で降板した。球団広報を通じ「試したい球種を試すことができましたし、自分の感触としてもよかった」とコメントした。

秋山拓巳投手(30)は2回から2番手で登板。得意球のフォークは封印した。「捕手のサインを理解しながら、意思を持って投げることを意識した」。2回を難なく無失点に切り抜け、3回は2死から元阪神の福留と対戦。追い込んでからファウルで粘られ、カウント2-2からは「もう真っすぐしか投げん」と6球連続で直球を投げ込んだ。14球目で左飛に仕留め、粘り勝った。

昨季最多勝と最高勝率で、開幕投手最有力の青柳晃洋投手(28)は4回から登板。2イニングとも先頭を出し、それぞれ死球、四球で無死一、二塁を招いたが、併殺打2本を奪って無失点だった。ただ「やりたいことができずに終わってしまった。悔いが残る」と反省した。

開幕投手争いは沖縄で決着しなかった。【古財稜明】