4番候補が合流だ。負傷で出遅れていた広島坂倉将吾捕手(23)が11日の日本ハム戦から1軍合流する。

10日、マツダスタジアムに荷物を運び入れ、意気込みを語った。今季は新たに三塁に挑戦し、昨季リーグ2位の打率3割1分5厘を残した打撃では中軸が期待される。開幕まで2週間となり、田中広輔内野手(32)、長野久義外野手(37)、松山竜平外野手(36)の実績組も1軍に合流する。

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今年初の1軍合流を翌日に控え、坂倉は表情を引き締めた。マツダスタジアムに持ってきた荷物には、キャッチャーミットのほか新たに内野用グラブもある。今季も常時出場を求める首脳陣からは本職の捕手だけでなく、一塁に加え、三塁での起用も示唆されている。昨季リーグ2位の打率を残し、中軸候補でもある。いずれも確定していないポジションを埋め、チームを浮上させる期待がかかる。

「僕、1人が入ったからといって変わるものではない。1人ひとりが頑張るしかないと思う。そこに立ち向かっていく準備と、負けないぞという心構えが大事だと思うので、そこはしっかり持ってやっていきたい」

昨季132試合に出場した経験が自覚を芽生えさせた。今年は上半身のコンディション不良で出遅れを余儀なくされたものの、実戦ではブランクを感じさせなかった。復帰初戦の5日教育リーグ中日戦でいきなり中前打を放つと、翌6日同戦では浮いた真っすぐをとらえて右翼席に運んだ。

復帰2戦目は三塁も守った。昨年秋に挑戦したばかりで、春季キャンプ不参加のため投内連係などサインプレーもできていない。それでも首脳陣は三塁での起用方針を変えない。昨秋は戸惑いながら挑戦していたが「違うポジションから来て、出る責任感もある。人を押しのけて出るので、ベンチにいる人たちに恥じないように守りたい」と覚悟を決めた。

朝山打撃コーチは11日の日本ハム戦スタメンを示唆した上で「4(番)もあるかもしれないし、5(番)もある」と期待する。広島はオープン戦8試合で打率2割8厘、17得点とつながりに欠ける。坂倉は「打線が線にならないといけないと思うので、チームバッティングを実戦の中でできるようにしっかりやっていきたいです」と昨季96試合で5番起用された経験をチームに還元するつもりでいる。完成図が見えない広島新打線に、欠かせぬ1ピースが加わる。【前原淳】