巨人の新外国人アダム・ウォーカー外野手(30)が、来日31打席目での初アーチで今季初の3連敗を阻止した。1点を追う4回2死一、二塁、バックスクリーン左へ特大の逆転の1号3ランを放った。喜ぶ味方ナインとは両手で頭上にハートを作る「ハートポーズ」で大盛り上がり。バンダナを身につけ、ドレッドヘアをなびかせる個性派の新助っ人が、値千金のひと振りで劣勢をはね返した。

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【ニッカン式スコア】17日の阪神-巨人戦詳細スコア

ウォーカーの笑顔と「ハートポーズ」が甲子園で輝いた。1点を追う4回2死一、二塁、阪神ガンケルのシュートを思い切り振り抜くと、打球はバックスクリーン左の中段席まで届いた。試合をひっくり返す会心の初アーチに大喜び。ドレッドヘアをなびかせ三塁を回ると、頭上で丸が本塁打を放った際に定番の丸ポーズ…ではなく、ハートを形作った。「山瀬が(この日の)円陣の声出しでやったポーズで、エネルギーをもらった」と笑った。

インパクト抜群の見た目の裏には、キュートな思いがある。頭には鮮やかなピンクのバンダナを巻く。「髪を伸ばしてから何か着けないといけなかった。日曜日はデーゲームも多いし、明るい感じで着け始めました」と“サンデーピンク”を貫く。3年前から始めたドレッドヘアも「独立リーグでMVPを2年連続で取ったので」と験担ぎの一貫。当初は髪形管理に手間取ったが、長年の経験値ですっかり慣れてきた。

個性的なのは見た目だけではない。アメリカ時代は、メジャー昇格に届かず、独立リーグを転々とした。大観衆には縁がない異色のキャリアを歩んできた。「掘り出し物」として30歳で海を渡り、開幕から1軍でチャンスを待った。今季巨人にとって最多となる4万1175人が集まった甲子園で試合を決める1発。「人生で初めて満員のお客さんが来ている中のプレーでした。とても楽しくプレーできました。ベリーハッピー!」。伸びしろ未知数の個性派助っ人が、3試合ぶりの勝利を、ズキュンと射止めた。【小早川宗一郎】

▽巨人原監督(ウォーカーに) うちの中で長打力という点ではかなり秀でている。いいところが出たというところ。守備も一生懸命練習してくれますし、足も速いし、まだまだ本当の意味で途上の選手だと思うのでね、期待しています。

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