オリックスが執念全開、今週2度目のサヨナラ勝ちで、24日に対戦するロッテ佐々木朗撃ちにはずみをつけた。同点の延長11回1死一、三塁。伏見が放った打球を、ロッテ中村奨がはじいた。「GO!」。風岡三塁ベースコーチの声と同時に、三塁走者の来田涼斗外野手(19)は迷わず本塁へ突っ込んだ。「(声に)反応して行きました」。捕手のタッチをかいくぐった。

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だが、ここでロッテ井口監督がリクエスト。それでも来田には自信があった。「タッチをかわしたので、自分の中では確信していました」。球場が固唾(かたず)をのむ中、笑顔でセーフのコールを待ち、喜びを爆発させた。

この日再昇格即、今季初スタメン。11回は先頭で小沼から今季初安打を放ち、劇的白星につなげた。中嶋監督は来田の本塁突入に「イケイケっすね、あいつ。びっくりしたもんね。(突入を瞬時に)判断したんですから、好走塁ですね。ヒヤっとしたけど」と笑顔でたたえた。「よく粘った。いい勝ち方」。1点を勝ち越された10回も吉田正が執念の同点犠飛。借金も1に減らして3位に浮上だ。

佐々木朗との2週間ぶり再戦に、最高の景気づけとなった。10日は敵地で完全試合を食らったが、そのとき来田はファームにいた。「寮のテレビでハイライト(映像を)見ていました。吉田正尚選手も(3三振と)やられていたので、それほど難しいピッチャーなのかと。(今回は)同じプロとして、絶対に打ちたい気持ちがあります」。17日の日本ハム戦も8回パーフェクトで、17回連続完全投球のまま大阪に乗り込んでくる右腕に、ホームでもやられるわけにはいかない。

昨年7月13日の日本ハム戦(釧路)では、高卒新人初の初打席&初球&初本塁打を放つ衝撃デビュー。19歳の来田VS 20歳の佐々木朗。思い切りの良いスイングで若武者対決も制す。【真柴健】