天理大が、阪神大学リーグ3季連続22回目の優勝を決めた。ほっともっとフィールド神戸での関西国際大戦は2ー2で9回規定により引き分け。これで2位の関西国際大が8日の最終戦で勝ってもポイントで上回ることがなくなったためVが決定。チームを引っ張ってきたプロ注目の友杉篤輝内野手(4年=立正大淞南)はこの日も4安打に盗塁と大暴れで優勝に貢献。天理大は6月6日から始まる全日本大学野球選手権(神宮、東京ドーム)に出場する。

優勝を白星で飾れなかったものの、好調をキープしてきた友杉のバットはこの日も快音を響かせた。初回に先制打となる右中間への適時三塁打。同点で迎えた5回は右翼線二塁打といずれも得点にからんだ。計4安打の活躍で引き分けVに華を添えた。

「引き分け以上で優勝、とは知っていました。勝って終わりたかったが(優勝して)ほっとしてます」。昨秋、リーグ2位の打率4割4分2厘をマークしベストナインにも輝いた“安打製造機”は今春の目標を「打率5割と10盗塁」に設定。「打率(4割4分4厘)はまだ全然届きませんが、盗塁は今日の三盗で10個になってできた。失敗もゼロでよかった」と笑顔で振り返った。昨年秋の関西選手権で左足腓骨(ひこつ)を骨折し、オフはリハビリなどつらい日々を過ごしてきた。それでも「やはりプロに行くのが一番の目標なんで」と腐らずやってきたことが結果に表れた。

リーグ戦前からV候補の本命と重圧がかかる中での3連覇。藤原忠理監督(56)は「選手には『ウチはヒーローがいるわけじゃない。1人1人が粘り強く試合を運んでいこう。一振りで決めてしまおうとするとチームはバラバラになる』といってきた」と話す。おごることのない天理大の黄金時代は、まだ続きそうだ。【岩崎正範】

○…関西国際大は無念の引き分けで、逆転優勝は果たせなかった。規定で延長戦に持ち込めない試合展開を計算した鈴木英之監督(55)は、1点ビハインドの8回無死二塁で「ここで追いついても仕方ない」と4番に代打の山下尚捕手(3年=如水館)を起用し一気に逆転を目指したが、木谷颯外野手(1年=滝川二)の左犠飛で同点にするのがやっとだった。鈴木監督は「1、2年生が多いし、楽しみな野手も投手もいる。若いの(選手)で行こうと思う」と秋季リーグでの雪辱を期す。