中日が新打線で連敗を脱出した。

7連敗中の立浪和義監督(52)は3番鵜飼、5番石川昂とクリーンアップに若手を抜てき。下位に阿部、木下、高橋周と並べた。この打線が11安打で6点を奪い、執念の勝利をつかんだ。「ひとつどんな形でも勝っておかないとね。勝ってよかったです」と指揮官も安堵の表情を見せた。

4回の先制撃は6番阿部からの3連続適時打だった。石川昂が三振に倒れ、チャンスが潰れかかった2死一、三塁。バットを短めに持った32歳が西武の新人左腕・隅田に食い下がる。追い込まれながらも中前に弾き返し、待望の先取点をたたき出した。

「なんとかランナーをかえせるように」と必死の思いを明かした阿部。7番木下が「阿部さんがいい流れをつくってくれました」と右前打で続く。8番に下がった高橋周が左翼線に二塁打を放ち3点目。「この流れに乗って打ててよかったです」。交流戦から本格的に遊撃起用がスタート。打撃の結果も出ていなかったが、6回にも適時打を放ち、3安打2打点と恐怖の8番をアピールした。

試合前の円陣は投手、スタッフも全員参加の異例の大人数で行われた。声出し役も通常では参加しないリリーフ投手の藤嶋。「ひとつ必死に勝ちにいく」。そう話していた立浪監督の勝利への執念はチームで共有していた。