中日福留孝介外野手(45)が開幕から26打席目で放った今季初安打が、セ・リーグ最年長二塁打記録となった。

6回2死二塁で代打で登場。西武森脇のカーブを捉えると、右翼線を破るタイムリーとなった。3月25日の最年長開幕スタメンから無安打が続いていた超ベテランにまた1つ、勲章が加わった。

日米通算2449安打で今季を迎えた福留にとって、かつてないほど長く、苦しい空白期間だった。四球と犠飛があっても「H」マークが遠い。無安打の打席が重なるにつれ、雑音も少しずつ大きくなる。それでも「1本出れば変わる」と立浪監督は代打の切り札として信じ続けた。福留は「こうやってずっと我慢して使ってもらっていて、ぼく自身も苦しかった。ここで1本打てて良かったです」。二塁上で何度も手をたたいて喜びを表現した。

「自分も代打で開幕から5月半ばまで打てなかったですからね」。立浪監督は自身の経験を明かしていた。引退前年の08年、開幕から20打席目でようやく初安打。勝負のかかった終盤に結果を出すことの難しさを知っているからこそ、信じて待ち続けた。

福留は「どういう状況であれ、年が一番上。自分のやるべきことだけはやる。常に変わらずということは意識してやってきた」。結果が出なくても、球場に入ればランニングからスタート。プロで24年間、生き続けるためのルーティンを崩すことはなかった。その結果生まれた最年長二塁打だった。【安藤宏樹】

○…中日先発松葉が5回1失点で踏ん張り、2勝目を挙げた。本拠地バンテリンドームで5イニング限定先発の左腕は任務を果たした。「今日は自分らしい投球とはいかなかったのですが、とにかく連敗を止めるという強い気持ちで投げました」。5回、外崎に適時二塁打を浴び、なお2死二、三塁と同点のピンチも気迫で森を中飛に打ち取った。