「雨柳さん」あらため「風柳さん」誕生!? 阪神青柳晃洋投手(28)がリーグトップに並ぶ5勝目を挙げた。「日本生命セ・パ交流戦」のロッテ戦に先発。8回2/3を8安打2失点(自責0)、プロ最多133球の熱投でチームに連勝を呼んだ。完投まであと1死での降板を悔やんだが、ZOZOマリンの風を生かした低めの投球が光った。チームは5月を11勝11敗、交流戦を3勝2敗とし、29日の完封男・伊藤将にバトンを渡した。

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9回の青柳は味方の失策から2失点し、2死二塁を残して降板した。今季2度目の完封と4度目の完投を逃し、ヒーローインタビューで「中7日いただいたので、完投したかったです。むちゃくちゃ悔しいです」と苦笑いした。

ZOZOマリンに吹き荒れる風の抵抗を受けながらブレないツーシーム、スライダーを低めに丁寧に投げてアウトを量産した。四球と安打で招いた8回無死一、二塁では、荻野をツーシームで遊飛。続く角中は「感覚的にすごい良かった」という124キロのシンカーで、マーティンにも魔球のシンカーで連続の空振り三振に仕留めた。「打者にはある程度ストライクゾーンに投げられた。風が強かったのが結構、味方してくれたのかなと」。風に乗って7三振も奪った。

9回1死まで完封ペース。そこから熊谷の失策と二塁打で二、三塁となり、内野ゴロと適時打で2点を失った。最後の1死を岩貞に託して自身最多の133球で降板。ファンは拍手で、ナインもハイタッチで出迎えてくれた。ただ試合後は緩んだ表情を引き締め、自らを戒めた。「誰がエラーしようが僕の四球と同じ扱い。守備のミスというより2点目を取られてしまったところが自分の未熟さ」。

ロッテには過去2戦2敗。ともに敵地で16年は6失点、19年は5失点と崩れたが、三度目の正直で白星。「マリンは嫌いじゃないんですけど、ぼこぼこにされているイメージはずっと持っていた。何とか抑えることができて、やっと勝てた」。リーグ最多タイの5勝目。自責点は0で、防御率も1・13で再び同トップに返り咲いた。「これを継続できるように。チームに勝たしてもらっている部分も多い。もっともっと自分で勝った試合を増やしていければ」。チームは12球団で最も遅く20勝に到達。交流戦は3勝2敗で、5月は11勝11敗の勝率5割。虎の大黒柱がさらにチームを浮上させる。【三宅ひとみ】

 

○…梅野が右脇腹筋挫傷から実戦復帰し、ウエスタン・リーグ中日戦でいきなり快音を響かせた。「6番DH」で先発。2回、福谷の外角145キロ直球をとらえて二遊間を抜いた。18日に出場選手登録を抹消されており、15日の1軍DeNA戦以来13日ぶりの実戦。2打数1安打の内容に「違和感なくできました」と納得した。平田2軍監督は「明日は守りにつけると思う」と説明。29日同戦はマスクをかぶる。

○…伊藤将が29日ロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初の地元登板を先発で迎える。千葉・横芝光町の実家から家族が訪れる予定で「プロに入って千葉で投げるのは初めてなので、すごいワクワクしています」と笑顔。球場は国際武道大時代に登板歴があり「風によって変化球の曲がりも変わるので、風を生かしながら自分の良いピッチングができたら」と意気込んだ。前回22日巨人戦で初完封を飾っており、注目度は高い。

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