阪神が「初物」に苦戦し、自力優勝の可能性が消滅した。西武のドラフト2位ルーキー佐藤隼輔投手(22)と初対決。序盤から走者を出すが、140キロ台後半の速球を軸に組み立てるサウスポーを打ちあぐねた。無得点が続き、6回は2死一、三塁の好機を築き、佐藤を降板させたが糸井が2番手の水上由伸投手(23)に投ゴロに抑えられた。

打線は最後まで決め手を欠き、7回1失点と好投の先発西勇輝投手(31)を見殺しにした。本拠地甲子園で3連敗。5月は11勝13敗で開幕から3カ月連続の負け越しとなった。54試合目での自力V消滅は、00年以降では01年の67試合を超えて球団で「21世紀最速」となった。直前の4試合は首位ヤクルトと相星で免れていたが、5度目の崖っぷちで踏ん張りきれなかった。

▼阪神の完封負けは今季13度目。全33敗の実に4割近くにのぼる。このペースなら、年間34度に達する勢い。球団最多の63年24度をはるかに超え、プロ野球最多の56年大洋(現DeNA)と東映(現日本ハム)31度の更新も視野に入ってきた。