中日阿部寿樹内野手(32)が、3安打2打点でパ・リーグ首位のソフトバンク戦の勝ち越しに貢献した。

初回、先発・柳が先制を許すが、その裏に反撃。ビシエドの同点二塁打に続き、左前に勝ち越し打を放った。1点差に迫られた5回には、右前適時打で突き放した。5番のバットが明大の後輩・柳を救った。

「(初回は)ビシエドが打ってくれたので気持ちは楽でした。(5回は)追加点が欲しかったので打ててよかったです」。お立ち台のヒーローは、笑顔で振り返った。

今季の柳の登板試合での打撃成績は、36打数14安打6打点、打率3割8分9厘。柳が投げれば打つ。後輩思いは数字に表れている。

柳の試合だけではない。交流戦では5番に座り、チームトップ28打点で課題の得点力を支える。打率も1カ月ぶりの3割を射程圏に入れた。昨年、打撃不振に苦しんだが、復活の歩みは力強さを増している。

チームは3カード連続の勝ち越しを決め、優勝の可能性も残して交流戦最終週(6試合)に向かう。「来週からビジター(遠征)に行きますけど、ナゴヤにいいニュースを届けられるように頑張ります」。打のヒーローは、ファンにも熱いメッセージを残した。

○…柳が6回3失点の粘りの投球でソフトバンクから2年連続勝利を手にした。「早いイニングで点を取ってもらったので追いつかれないことだけを考えて粘りました」。1点差に詰め寄られた6回2死二、三塁のピンチも今宮を遊飛に仕留め5勝目。昨季、2冠に輝いた右腕がパ・リーグ首位チーム相手の勝ち越しに貢献した。

○…新8回の男・ロドリゲスが本拠地で初めて160キロをマーク、15ホールド目を挙げた。キューバ時代に対戦経験のあるグラシアルの初球に大台到達。「知ってる仲間なので気合は入ったが、スピードはあまり気にしてない」と淡々と話した。ソフトバンクにFA移籍した又吉の後任は「リリーフに回って2カ月。だいぶ慣れました」とセットアッパーとしての手応えを明かした。

▽中日立浪監督(交流戦3カード連続勝ち越しで優勝の可能性も残し)「そんな(優勝)ことは考えてなかったですけど、(次戦からも)1戦必勝で頑張っていきたい」

【ニッカン式スコア】5日の中日-ソフトバンク戦詳細スコア