頼みのエースがまさかのブレーキ…。先発した阪神青柳晃洋投手(28)が5回7安打3失点で3敗目を喫した。

今季ワーストタイの3四球を与えるなど、制球面で精彩を欠いた。球団を通じて「チームに迷惑をかけてしまい、申し訳ないです」と悔やんだ。ホームで勝敗関係なく行われる試合後の整列では、ファンに向かって誰よりも深く頭を下げ、下唇をかみしめならベンチへと下がっていった。

出だしからつまずいた。初回、1番桑原から神里にかけて6球連続ボールからスタート。一塁手原口から声をかけられた直後の7球目でようやくストライクが入った。だが左前打を浴びて無死一、三塁とされると、佐野の二塁への併殺打の間にあっさり先制点を献上。2回は2死一、三塁から投手の今永に左前へのタイムリーを許した。3回にも1点を失い、4回以降は何とか立て直したが、5回までで球数は100球を超え、5回の打席で代打が送られた。

昨年と同様、夏場以降の失速が気がかりだ。昨季は10勝を挙げて以降、8月末から9月にかけて約1カ月間勝ち星から遠ざかった。今季も前半戦15試合で11勝1敗、防御率1・37でチームを引っ張ったが、後半戦は4試合で1勝2敗、防御率3・43と苦戦している。防御率を2点以上、上げてしまい、無双投球を続けた安定感にはほど遠い。

12勝、防御率1・70、勝率8割は依然トップの3冠だが、3試合連続勝ちに見放されている。矢野監督は「球の走りは良かったと思うけど、コントロールが定まってなかったんで、リズムをつくるっていうところができなかったね」と指摘しながら、「頑張ってもらわなあかんね」と奮起を促した。昨季から続いていたDeNA戦の連勝も「7」で止まった。背番号50の復活なしに、チームの浮上はない。【古財稜明】

▼青柳が今季3敗目。前半戦は15試合に登板し、11勝1敗、防御率1・37でクオリティースタート(QS=6回以上、自責3以下)は14度。QS率は93・3%と抜群の安定感を誇った。だが後半戦は登板4試合で1勝2敗、防御率3・43。2試合連続でQS失敗と成績を落としている。

▼今季青柳の8月は月別の成績で最悪の防御率3・43。また、今季対戦カード別でもDeNA戦は最悪の防御率3・10。「8月×DeNA」は相性の悪い組み合わせだ。

▼青柳のDeNA戦連勝は7でストップした。20年9月23日(甲子園)以来の黒星。昨年は5戦4勝、今年は4戦3勝だった。

 

▼阪神は今季京セラドーム大阪で7敗目。97年の開場(当時は大阪ドーム)以降、08、09年と並び同球場での年間ワーストの敗戦数。

▼阪神は今季22度目の完封負け。球団ワーストは63年24度で、残り2度で並ぶ。年間では27個ペースで上回る可能性もある。

▼今季は相手先発が左腕の場合、21勝27敗と負けが上回っている。先発左腕に対しては8連敗中だ。

▼DeNA今永に今季2敗目。阪神に対して今季先発で2勝以上を挙げている投手9人のうち6人が左腕。広島床田には3勝を献上。ヤクルト石川には2試合で防御率0・00と抑え込まれている。

○…島本が6回に2番手で登板し、左打者3人を3者凡退に仕留めた。20年11月のトミー・ジョン手術を経て1軍昇格後、5試合連続無失点だ。先頭の柴田は中前に抜けそうな当たりも遊撃手中野がダイビングキャッチ。その後はテンポよくアウトを重ねた。「ビハインドの展開だったので、なんとか流れを持ってきたいと思って、マウンドに上がった。今日のような投球を続けていけるように、またしっかり準備したい」。登板ごとに信頼を重ねている。」

○…小林が今季4戦目で初めて回をまたぎ2イニング投げた。4番手で登板した8回は2死一、三塁のピンチで代打ソトをフォークから空振り三振を奪いガッツポーズ。9回は2死から佐野に17号ソロを許し初失点。複数イニングはシーズン途中にオリックスから移籍し初登板した20年9月16日巨人戦以来。試合前に加治屋が新型コロナ陽性で離脱。今季初登板だった12日の中日戦で「任されたところを全力で」と話していた右腕がカバーする。

○…原口が今季4度目のスタメン起用にマルチ安打で応えた。「6番一塁」で出場。4回2死一塁で今永から右前打、9回先頭では山崎から左前打を決めた。出場した直近4試合は10打数5安打、打率5割と絶好調。「勝ちにつながる1本を打ちたいと思って打席に立っていますし、結果的に結びつけることはできませんでしたが、また明日、チームが勝てるように頑張ります」と前を向いた。

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