SUBARUが、延長タイブレークの末にJFE東日本に2-1でサヨナラ勝ちし、5大会ぶり17度目の日本選手権出場を決めた。

東洋大OBの山田知輝外野手(24)が先制ソロを放ち、阿部博光投手(25)は9回を被安打5の5奪三振で1失点。7日に亡くなった恩師の高橋昭雄前東洋大監督へ白星を届けた。三菱重工EASTは3-1で明治安田生命に勝利し、4大会連続9度目の選手権出場。日立製作所はエイジェックに6-2で勝ち、4大会ぶり13度目の出場権を手にした。

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代表決定戦に向かう胸の中には、恩師がいた。山田知と阿部は全国大会を決める大一番を前に「今日は高橋さんが見ているから、東洋(OB)で勝たないとな」と気合を入れた。

0-0で迎えた4回、先頭の山田知が、右翼スタンドへ先制のソロ本塁打を放った。笑顔でベンチに戻り、チームメートとハイタッチをかわした。先発の最速147キロ左腕、阿部は、抜群のコントロールで試合をつくった。ツーシームやスクリューボールを効果的に使って相手打線を抑え、9回を被安打5の5奪三振で1失点。タイブレークの末に勝利し「最高というのだけですね。最高でした」と喜んだ。

大学3年まで指導を受けた高橋前監督は、怖い存在だった。しかし社会人になって、教えが身に染みた。阿部は「社会人になって、言っていたことが深かったんだなと分かった。もっと教えてもらえればよかったと思いました」。東洋大のベンチには「すべては声」という言葉が飾られていた。「声や覇気、気持ちや執念の大事さを改めて感じました」。これからも、教えを胸にプレーする。【保坂恭子】

○…三菱重工EASTは今秋ドラフト候補の中山遥斗内野手(24=国学院大)が、NPB6球団のスカウトの前で3打数無安打1四球。「まだ試合はあるので、やることをやって結果を出して、最後に悪あがきをしてアピールしたい」と悔しさをにじませた。それでも中日・米村シニアディレクターは「いいスイングをしていた。守備はスローイングも強いし言うことない」。DeNA河原スカウティングディレクターは「大学生の頃よりもパンチ力が増した」と評価した。