阪神湯浅京己投手はヤクルトとのCSファイナルステージでも守護神で起用される見込みだ。

セ界王者との決戦に向けて「どんな状況、どんな場面で投げてもやることは変わらない。チームの勝ちに貢献できるようなピッチングをしたい。“アツアツアツアツアツアツ”と炎が燃えたぎるくらいに」と、笑顔で闘志を燃やした。

CSファーストステージで抑えに抜てきされ、圧巻の投球でDeNA打線をねじ伏せた。8日の第1戦では8回2死一、二塁から登場し、牧を空振り三振。9回も難なく抑え、“プロ初セーブ”を記録。10日の第3戦では8回2死二塁から登板し、佐野を一ゴロに。9回は1死満塁のピンチを背負ったが、代打藤田を二ゴロ併殺打に仕留めた。福原投手コーチは、「そういう形になるかと」と守護神継続を示唆。鋼のメンタルと勝負強さにかける。

4年目の今季は「8回の男」としてブレークを遂げ、最優秀中継ぎ賞に輝いた。2失点を喫した7月1日の中日戦を最後に、ポストシーズンと合わせて30試合連続で無失点を継続。チームで最も打たれない鉄壁のリリーフエース。ヤクルト戦もフル回転で、チームを日本シリーズに導く。【古財稜明】

○…阪神矢野燿大監督はCSファーストステージを突破した勢いに乗って1位ヤクルトも倒す。「もちろん強いのは分かっているし、バランスのいいチーム。ファーストステージを戦えた気持ちのまま全員で向かっていけたら」。DeNA戦では全員野球で3試合すべて接戦の展開を制した。初戦は就任後4年間先発の柱として支えてきた西勇輝に託す。「頭にふさわしい。勇輝らしく投げてくれたら」と期待した。

○…大山がヤクルトとのCSファイナルステージ第1戦でも4番を任される。DeNAとのファーストステージでは3試合、11打席無安打だった。井上ヘッドコーチは「4番は外さない。1本出れば変わると思っている。今度の神宮は大山が(ヒーローに)2回、3回なるんじゃないか。打てなかった分、やってくれると期待は増している」と変わらぬ信頼を寄せる。今季神宮ではセの敵地で最高の打率3割6分7厘を記録。2本塁打、8打点と打っている。

○…佐藤輝がプロ2年目で初のCSファイナルの舞台に立つ。「次も負けられない戦い。全員で力を合わせて頑張ります。こっちは攻めるだけなので」。1勝のアドバンテージがある1位ヤクルトに対して、第1戦から積極的に攻める。10日のファーストステージ第3戦ではDeNA浜口からバックスクリーンへソロをたたき込んだ。神宮では今季3割2分7厘とセの敵地で最も高い打率を残す。3本塁打、9打点と相性のいい舞台で下克上の主役となる。

○…エース青柳は中5日でCSファイナルステージ3戦目の先発に回る見込みだ。8日のDeNA戦では6回無失点と快投。今季のヤクルト戦は2試合連続完封を含む3勝1敗で、勝ち星は全て神宮球場で挙げた。この日投手指名練習に参加した右腕は「優勝チームですし、村上を中心とした得点力があるチームなんで。村上だけじゃないですけど、無駄な失点につながらないようにやっていくしかない」と力を込めた。

○…西純がCSファイナルステージでもフル回転を誓った。DeNAとの同ファーストステージでは中継ぎとして第2、3戦に登板。2試合連続2回無失点の力投で、第1関門突破の立役者となった。当面はロングリリーフ要員としてブルペン待機するもようで、「自分の役割を果たせるように、チームに貢献できるようにしたい」と意気込んだ。

▽阪神井上ヘッドコーチ(3冠王のヤクルト村上に)「もちろん打たれないように対策は練るが、あれだけの打者なので。一番は波に乗せないこと。最初の第1戦、第2戦はすごく重要になってくる」

○…桐敷拓馬投手(23)が1軍に昇格することが11日、分かった。この日はフェニックスリーグ巨人戦の試合前練習で、ランニングなど軽めのメニューをこなした。今季は開幕ローテ入りを果たしたが、勝ち星がつかめず2軍生活。ウエスタン・リーグでは13試合で6勝1敗、防御率0・72と安定した成績でアピールした。前回登板となった8日のファーム日本選手権では、先発で2回2/3を6安打5失点だった。また、出場選手抹消された高寺は12日から同リーグに合流する。

○…フェニックスリーグ巨人戦で完封負けを喫した。巨人先発直江、2番手平内を相手に4安打だけ。平田2軍監督は「1軍クラスの投手にはそう簡単にうまくいかない。力不足だと感じるのもフェニックスの目的だから」と振り返った。阪神先発村上は6回4安打1失点の好投。同リーグで、直球の質向上を目標としている右腕は「今日は走りも良かったかなと思います」と手応えをつかんでいた。