ドラフト会議で日本ハム1位指名を受けた日体大・矢沢宏太投手(22)が、「背番号1奪取計画」の一端を明かした。

22日に等々力球場で行われた首都大学野球秋季リーグ最終戦で先発し、10回1失点の好投を見せた。ドラ1左腕としての貫禄を見せつけ、日体大を4季ぶり25度目の優勝に導いた。「矢沢流」でプロの世界に旋風を巻き起こす準備はできている。

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試合後、矢沢の目には涙があふれていた。試合に勝って涙するのはこれが初めて。チームメートと抱擁を交わし、時折すがすがしい表情を見せながら、優勝の喜びをかみしめていた。「秋季リーグは納得がいかない試合が多く、『もっとできた』という思いもあった。(優勝して)試合に出ていない選手も含めて、チームメートを喜ばすことができて本当に良かった」と万感の思いを口にした。

20日にドラフト指名、リーグ最終戦前日の21日は指名あいさつと続き、多忙を極めていた。それでも21日の練習を午後から午前に変更するなど調整し、登板への準備は万全だった。「うまく時間は使えたと思う」。勝てば優勝が決まる試合でも抜群の安定感を披露した。「力まず丁寧に投げられた」と135球を投げた投球を振り返った。延長10回1死二、三塁のピンチでは2者連続三振でしのぎ、11回の攻撃につなげた。「打たせるとエラーもあると思って、三振だけを狙いにいった」と勝負強さを見せた。

「第2の大谷」として注目を集める矢沢は、「背番号1」奪取へのイメージもできている。「(二刀流で)毎試合に出たいとも思っている。(入団後は)チームと話し合って自分のプレースタイルを決めて、目標を立てられれば」と語った。新庄監督は背番号1を活躍が目立った選手に譲ると公言している。「活躍して1番をもらえるように、頑張っていきたい」。背番号を継承すべく、1年目から「矢沢流」で熱烈なアピールをするつもりだ。

11月には神宮大会出場を懸けたトーナメントも控える。「神宮大会に出て日本一を取りたい」。有終の美でプロ入りを華々しく飾りたい。【石井翔太】