1部6位の駒大が、残留に王手をかけた。

神宮球場の申し子「神宮(しんぐう)隆太内野手(3年=西日本短大付)」の一振りが勝利を引き寄せた。

1-1で迎えた4回、2死二塁から神宮が、ロッテ1位指名の菊地吏玖投手(4年=札幌大谷)の内角直球をフルスイング。打った瞬間、それとわかる打球は右翼スタンドへ飛び込む勝ち越しの2ラン本塁打。神宮は大きくガッツポーズを見せダイヤモンドを悠々と回った。

公式戦1本目となる本塁打が、入れ替え戦での勝利へ導く貴重な1本に。名前が同じ表記の「神宮」だけに「味方してくれています」と神宮球場に感謝した。

運命に引き寄せられたような1本に、大倉孝一監督(60)は「ビックリしますよね(笑い)。でも(神宮の1本で)試合を優位に進めることができましたね」と、目を丸くした。

高校時代も26本塁打を放つ強打者。大学でもフルスイングが持ち味だ。「チャンスで打てる打者になりたいです」と、まだまだチームのためにバットを振る。

DeNAから3位指名された駒大・林琢真内野手(4年=東邦)は初回に先頭打者として四球を選び、すかさず盗塁を決めると捕手の悪送球を誘い一気に三塁へ。チャンスを広げ、先制点につなげた。林は「自分の役割は出塁して攻めて行くこと。先頭で出塁できてよかったと思います」と無安打ながらも、その役割に徹した。試合を見守ったDeNAの吉見スカウトは「しっかり四球を選んで盗塁もしましたし、俊敏さは彼の持ち味。発揮してくれましたね」とあらためて評価した。

1部残留へー。大倉監督は「シーズン後半から、ずっと取り組んできた、センター方向への打球、変化球への対応が、形になってできてきた」と、選手たちの成長に目を細めた。明日勝利を決めて1部残留へ。今季、集大成の一戦にする。【保坂淑子】