岡田流の英才教育よ-。阪神岡田彰布監督(65)が14日、ドラフト1位森下翔太外野手(22=中大)の1軍昇格を示唆した。15日に行われる楽天との練習試合(金武)で対外試合デビューさせることを明言。16日にはそのまま1軍の沖縄・宜野座キャンプに参加させる方針だ。かつてはドラフト自由枠で入団した鳥谷を英才教育で不動のレギュラーに育て上げた。即戦力として期待する森下も故障明け即1軍昇格で鍛える。

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病み上がりも関係ない。ドラフト1位森下の処遇を問われると、岡田監督は、迷わずに言った。「2軍の試合で慣れさす選手じゃないからな。結局は1軍の戦力として見て、ドラフトからの経緯やから。元気な体で慣れさすっていうのは大切と思うよ」。15日に行われる楽天との練習試合(金武)で途中出場ながら、対外試合デビューさせることを明言。実戦で初めて右翼の守備にも就かせる。

16日には2軍が練習試合を行うが、そこには戻さず、1軍の練習に合流させる。青柳、伊藤将が打撃投手として登板する予定で、「いい投手が投げるから、そっちの方がためになるやろ」と打席に立たせて主戦投手の投球を経験させるのが狙いだ。04年にはドラフト自由獲得枠で入団した鳥谷に英才教育を施し、不動のレギュラーに育て上げた。即戦力として期待する森下に対しても1軍昇格を決断し、「岡田流」で育成する。

森下は右足の肉離れの回復が遅れ、2軍スタート。この日のうるまキャンプで、初めてフルメニューを消化したばかりだ。ベースランニングから打撃練習まで問題なくこなし、ケース打撃では、秋山相手に初球で送りバントに決める器用さも見せた。守備練習でも、右翼から強肩を披露。「やっとキャンプの練習に交じれたんで。ここからどんどん体を絞って、シーズン戦える体力をつけたいなと思います」と晴れやかな表情を見せた。

12日の紅白戦では森下の打席の立ち位置が「離れすぎに見えんか?」と岡田監督は指摘していた。この課題については「そんなん、見極めてからやわ」と指揮官は間近でじっくりと観察し、指導していく考えだ。

故障さえ治れば、森下は右翼のレギュラー争いで本命といえる存在だ。故障明け即1軍昇格、対外試合デビューに目をギラつかせた。「スタートダッシュをしっかり決められるようにしたい。守備、走塁もこだわりながら新人らしくやっていきたいです。開幕1軍でスタメンを目指してやってきているので、やっぱり1軍にいなきゃ意味ないと思っている。そこはしっかりこだわっていきたい」。背番号1が、いよいよ本領を発揮する。【三宅ひとみ】

○…2年目捕手の中川が15日の楽天との練習試合(金武)に招集された。梅野が出場しないため、2軍キャンプから森下とともに抜てき。これまで野村2軍バッテリーコーチと盗塁阻止の二塁送球に磨きをかけてきた。「爪痕をしっかり残してプレーできるように、元気出してアピールできればいいなと思ってます。(送球面は)実戦でいい形で出せるようにしたい」と意気込んだ。

○…秋山がケース打撃に登板した。雨が降りしきる中、実戦を想定し、バント処理などを行った。2年連続2桁勝利のキャリアを持つ右腕は今後について「段階は踏んでいけている。今度はゲームに入って課題を見つけていきたい。(開幕ローテ)争いに入っていかないといけないので、見てもらえる結果を出していきたい」と話した。