朗希、やっぱりスゲエ~。ロッテ佐々木朗希投手(21)が今季初登板初先発し、春休みでデーゲームに訪れた子供たちを魅了した。6回80球のWBC凱旋(がいせん)登板は、最速164キロの直球とフォークで毎回の11奪三振。1安打無四球無失点の好投で勝利投手となった。世界も驚かせた「令和の怪物」がチームの3連勝だけでなく、侍ジャパン世界一での野球熱をさらに盛り上げるべく好スタートをきった。

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世界一の奪三振ショーを、本拠のファンも子供たちも待っていた。佐々木朗は6回の最後も五十幡から146キロのフォークで空振り三振。黄色いグラブをポンッとたたき、笑顔でベンチに戻った。「子供たちだけじゃなく、ロッテファンも開幕3連敗して苦しい中で借金を返せた。これからまだまだやっていけるので、今日勝てて良かったなと思います」。大きな佐々木コールでのお立ち台も「誰のことかと」と冗談も交えながら、「僕は朗希の方が呼ばれ慣れています」とリクエスト。ファンと対話するかのように、声出し応援解禁の熱気は初めて味わい喜びを分かちあった。

日本中を熱狂させたWBC後の初登板。初回1球目から「160キロ」が表示されると「ウオォ~」とどよめきが起きた。中前打を喫した万波には全9球中7球が直球で、すべて160キロ超え。風速10メートル超の強風を初めて経験し、初回は直球が吹き上がってしまう場面もあったが、2回以降は力感を抑える対応力も抜群だった。二回り目からはダルビッシュに学んだ曲がりの大きいスライダーも交え、4回2死から5者連続三振。「良いリズムで出来た」。全球種を低めに集めて、アウトは三振と内野ゴロのみの内容にも納得だった。

春休み最後のデーゲーム。「4・6」は佐々木朗が高校時代に初めて163キロをマークして襲名した「令和の怪物」記念日だ。佐々木朗に憧れを抱いて背中を追う“怪物の玉子たち”が数多く生まれるシーズンが始まった。【鎌田直秀】

○…周囲も佐々木朗を盛り上げた。今季からCMに出演するロート製薬のバックネット裏広告は「ROHTO」から「ROHKi」に変わった。地元岩手のテレビ局も緊急生中継。大船渡の銘菓「かもめの玉子」で有名なさいとう製菓は、先月18日から縦8センチ、横5・5センチとビッグサイズな新商品「怪物の玉子」を販売開始。大船渡「かもめテラス」訪問限定の予約販売のみで、電話やネットの受注は出来ないが、同社担当者は「遠回しに連想していただき、朗希選手や(故郷)大船渡、陸前高田を応援して盛り上げたい思いで作りました」とさらなる飛躍も願った。

▽ロッテ吉井監督(佐々木朗の好投に)「風が強く、初回は全力で投げてボールがふけていた(うわずっていた)ので、2回以降は少し力を抜いていると思うが、そのへんのセンス、器用さはさすがだなと思いました。安心ではないけれど信頼して見ていました」

▽ロッテ松川(女房役として佐々木朗の好投を導き)「ストライクゾーンにフォークを投げることで打者の反応も変わってきたと思いますし、テンポもガラッと変わった。スライダーはWBC前と全然違う。曲がり幅が良い」

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