巨人岡本和真内野手(26)が、後輩へ惜別の1打を決めた。

4点リードの5回2死三塁、右中間フェンス直撃の適時打で、中押しの1点をもたらした。試合前には、智弁学園の1学年後輩・広岡大志内野手(26)のトレードが発表された。兄貴分らしくバットで別れを告げた。接戦を制し2連勝を収めたチームはヤクルトと入れ替わり4位に浮上。原辰徳監督(64)は通算1238勝目を挙げ、歴代単独9位に立った。

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岡本和が後輩へのエールをバットに込めた。4点リードの5回2死三塁。ヤクルト市川の初球、外角高めのスライダーに全身のパワーをぶつけた。右中間フェンス直撃の適時二塁打。「(先発の山崎)伊織が頑張っていたので、追加点を取りたいと思っていました。得点圏なのでかえせてよかった」。柵越えまであと数十センチという当たりをかっ飛ばした。

試合前の午後1時、智弁学園の1学年後輩でもある広岡のオリックスへのトレード移籍が発表された。突然の移籍を驚きとともに受け止めつつ「高校でも一緒で、巨人でもこうやって一緒にやれて楽しかった」と、ともに過ごした2年半を回想した。

21年3月、広岡がヤクルトから加入すると、隣で寄り添った。話し相手になることはもちろん、チームに溶け込むために一役買った。2軍と1軍で会う機会がなくても、LINEで連絡。打撃の構えやバットの軌道、精神的なことまで、レギュラーに近づくために聞かれたことは惜しみなく伝える姿に、広岡も「全部答えてくれる。高校の先輩なので少し他の先輩とは違う存在。僕もレギュラーをとれるように頑張って、三遊間を組めるように頑張りたい」と共闘を夢見る後輩に背中を見せ続けた。

岡本和は「地元(大阪)ですし、必要とされていくわけなので。持ってるものはすごい。パワーもありますし、肩も強い。後輩として頑張って欲しいなと。ずっと応援してます」。ユニホームが変わっても“智弁コンビ”の絆は変わらない。【小早川宗一郎】