日本ハム新庄剛志監督(51)も脱帽した。「日本生命セ・パ交流戦」のDeNA戦(横浜)で、サイ・ヤング賞右腕のバウアーに来日初完投勝利を献上し、今季5度目の3連敗を喫した。打線は7回に万波の6月初アーチとなる12号ソロで一矢報いたが、1点止まり。好投の先発加藤貴を、またも援護できなかった。大混戦の交流戦はジワジワと負けがかさみ、6勝8敗で11位。チームは4月29日以来の借金8となった。

   ◇   ◇   ◇

新庄監督は、両リーグを通じて今季最短でゲームセットとなってから4分後の、午後8時12分に報道陣の前に現れた。まずはバウアーに賛辞を送った。

新庄監督 (試合時間が)2時間8分。いい投手戦でしたね~。中4日で完投。中3日で来るんじゃない、今度(笑い)。でも、いいもの見せてもらいましたね。素晴らしかった。

付け入る隙が、なかなかみつからなかった。高めの直球は勝負どころで威力を増し、スライダーやカーブなどの変化球にも次々とバットが空を切った。7回に万波が高めの154キロ直球を捉えてアーチを放ち、9回は代打石井の安打から代走江越が二盗、三盗を決めても、最後まで力強い投球で押し切られた。

新庄監督 最後の二盗、三盗。あれも良かったですね。アウトになっていいから初球から行ってくれと。思い切って行くときは行けと。あそこで(バウアーの)ボールが良かったんですよね。格の違いでしょうね、あそこらへんは。

9回のような攻撃が8回まではできず。得点した7回以外では、走者を出せたのは1、2、9の3イニングだけ。全体的に力負けで、攻略の糸口となるはずだった盗塁も効果的に繰り出せなかった。

5回に2失点を喫したシーンは、中堅が本職ではないアルカンタラが打球に追いつきながら捕れずに献上した。この日のベストとして臨んだ布陣での結果だけに「フェンス気になったのかな。まあ言い出すとキリないですもんね」と新庄監督。気付けば借金8で交流戦も11位。「明日なんとか1つ取りたい」と力を込めた。【木下大輔】

▼日本ハムがDeNAに1-2で敗れ、今季の1点差試合は6勝16敗となった。パ・リーグで1点差試合を負け越しているのは、日本ハムのほか西武だけで7勝11敗。2桁の負け越しは12球団で日本ハムのみ。各球団の1点差試合の勝敗(14日現在)は以下の通り。

【セ・リーグ】

阪神=14勝4敗

DeNA=10勝7敗

巨人=12勝7敗

広島=9勝14敗

ヤクルト=7勝14敗

中日=8勝13敗

【パ・リーグ】

ロッテ=12勝7敗

ソフトバンク=10勝6敗

オリックス=10勝7敗

日本ハム=6勝16敗

楽天=9勝8敗

西武=7勝11敗

■万波 13戦ぶり12号

万波がDeNA戦で12号ソロ本塁打を放った。13試合ぶりで、6月に入って初アーチ。2点を追う7回2死、DeNAバウアーの高めに浮いた154キロの直球を捉え、左中間スタンドへ運んだ。横浜高1年夏の大会でバックスクリーンの看板に直撃する特大弾を放った“万波伝説”が生まれた球場での一発に、「本当にうれしい」と、ゆかりの地にまた1つ思い出を刻み込んだ。

直近3試合は無安打で、不調の兆しもあっただけに、引きずらずに復調するきっかけをつかんだ。新庄監督も「去年だったら調子が落ちてきたときにズルズルっていくところを、あそこで真っすぐを捉えたところが大きい」と評価した。万波は「トライアンドエラーだと思う。諦めずに何とかしようとしたのが、いい結果につながった」と、久しぶりのアーチで得た感触で本調子を取り戻すつもりだ。

■清宮 初球を右前打

左脇腹痛から復帰した清宮が、1軍合流後初打席の初球を打って右前打を放った。1回1死、DeNAバウアーのスライダーを捉えた。「あまりバッティングが良くないので、そんな中でも出たのは良かった」と、本調子ではない中での一打だった。変化球にうまくバットを合わせたが、「もっと芯で捉えられたらな」と次を見据えた。