楽天ドラフト1位荘司康誠投手(22)が、プロ初勝利を挙げた。1回、初球に今季自己最速タイの153キロを計測。自己最多の117球で6回5安打無失点と好投した。デビューから9戦目で念願の1勝。「いざこうなると予想以上にうれしい」と笑顔を見せた。

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どんな場面でも慌てず、冷静な表情を貫く荘司について、父・聡さん(60)は「もうちょっとやんちゃなままでも良かったんじゃないかなと。今思えばですよ」と目を細めた。幼少期は「絵に描いたようなやんちゃ坊主」と表す。小2で野球を始めると息子は少しずつ変わっていった。「世間を知って。良いのか悪いのか、子どもらしさというか、おとなしくなったところはある」と振り返る。

礼儀を学び、荘司は野球がうまくなるため、徹底的に考えるようになっていった。「合理的に物事を進めたいタイプ」と自己分析。目標に向かって淡々と努力を重ね、ドラフト1位指名を受けるまで上りつめた。

聡さんも元高校球児。新潟南3年夏は、3番一塁で県4強まで進んだ。経験者だからこそ、思わず口だししてしまうこともある。「今でも調子が悪かったりすると、言ってしまうんですよね。ドラフト1位の投手にどの口が言ってるんだということでしょうけど」と照れくさげに笑った。

仕事の合間を縫い、息子が投げる試合は現地観戦。この日もお立ち台からの「(ウイニングボールは)両親にすぐ渡したい。感謝の気持ちと、もっとボールを渡せるように頑張りますと伝えたい」と言葉を直接聞いた。自身も憧れた世界で飛躍する自慢の息子の姿を、優しく見守り続けていく。【楽天担当 湯本勝大】

【動画】楽天ドラ1荘司康誠スローカーブに打者は全く合わず翻弄 9度目先発でプロ初勝利掴む

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