なんでやねん! 阪神岡田彰布監督(65)が敵地DeNA戦で激怒の猛抗議だ。1点を追う9回1死一塁、代走熊谷が二盗を試みるも、1度はセーフとされた判定がリクエストの末にアウトに。遊撃京田の足が二塁ベースをブロックしたようにも見えたが、走塁妨害は適用されなかった。指揮官は鬼の形相で審判団に詰め寄ったが、判定は覆らず8月初の2連敗を喫した。広島の逆転負けでマジックは一つ減って28。燃えたぎる闘志は次戦につながる。

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岡田監督の怒りは試合後も収まらなかった。待ち構える報道陣に向けて大きな声で「しゃべることないわ! ええよ」と“ぶらさがり取材”を遮り、帰りのバスへ歩いた。

1点を追う9回1死、代打糸原の4球目に代走熊谷がスタートを切った。二塁に滑り込み、二塁塁審はセーフと判定。即座にDeNA三浦監督がリクエストを要求した。リプレー映像を見る限り、二塁ベースカバーに入った遊撃手京田が完全にベースを隠すように足が入り、熊谷の足はベースに届いていなかった。

敷田責任審判が場内マイクで「セカンドベースのところで走者と野手が接触していますが、妨害とはいたしません。よってアウトとします」と説明し、判定がアウトに覆った。マイクの音が響き、よく聞こえなかった岡田監督は説明を求めてベンチを出た。敷田審判員の話を聞き「妨害やろ」と抗議を始めたところから、審判団はストップウオッチの計測を開始したという。

審判団の説明では、タイミングはセーフだったが、熊谷の足がベースに届いていない。京田のプレーは故意ではない。よって「アウト」だった。間に入った平田ヘッドコーチは「遊撃手がブロックしたっていうかスライディングも邪魔したっていうことでしょ。それ(走塁妨害)も含めてね」と表現。岡田監督は故意か故意ではないにかかわらず走塁妨害だと主張した。

鬼の形相での猛抗議。左翼席の虎党からは「頑張れ、頑張れ岡田」コールと審判団へのブーイングが鳴り響いた。指揮官は時には真剣な目のまま笑顔もつくったが、敷田審判員によると「暴言は一言もなかった」。5分を超え退場になる前に、ベンチへと戻った。第1時政権では07年に2度退場となっているが、今回はギリギリで我慢した形だ。

勝負に徹した采配だった。同点の7回1死満塁で好投の村上に代打ミエセスを送った。ミエセスは三ゴロ併殺となったが、今まで以上に勝利に徹する戦い方を見せた。それだけに結末の形があまりに悔しい。

広島が逆転負けし、マジックは1つ減って28となった。「アレ」への道のりは一歩ずつ進んでいる。12球団最年長の65歳監督は負けてなお、終盤戦におけるワンプレーの大事さ、勝負への執念をナインにしっかり植え付けた。【石橋隆雄】

【動画】阪神岡田監督納得いかず!熊谷敬宥の盗塁死、DeNA京田陽太のプレー妨害と判断されず