岡田阪神が2位広島との直接対決第1ラウンドを制して9月無傷の6連勝を飾り、優勝マジックを10に減らした。先発村上頌樹投手(25)が、8回途中1失点の快投で初の10勝目。プロ2年間0勝だった右腕が、シンデレラストーリーを地で行くチームトップの2桁勝利で最有力の新人王にまた前進した。2位に今季最大の9ゲーム差をつけ、9日も勝てば優勝マジックは一気に3減って7になる。最短14日のアレ実現へ、カウントダウンが加速する。

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村上にはプロ3年目の今季から、新たなルーティンができた。登板のたび、ネットニュースで試合後の岡田監督の「一問一答」を欠かさずチェックするという。

「監督とあんまり会話するわけではないので、何言ってるんやろう、と。記事をめちゃめちゃ見るようになりましたね」

それでは、村上が選ぶベスト「岡田語録」は? 6月6日楽天戦(楽天モバイルパーク)、8回4失点でプロ初の「完投負け」を喫したゲーム後のコメントが印象に残っているという。

《悪うないよ、別に。なんでよ。完投させてんのに、何も悪うないやんか。そんなん

決してベタ褒めではないが、うれしかった。

「監督は悪かったら悪いって言ってくださる。逆に良かったら『普通に良いから投げさせただけや』と言ってくださる。はっきりしていて分かりやすい」

その楽天戦後には、坂本からも「普通やったら代えられてるけど、ここまで頑張ってきたから、こうやって投げさせてくれてるんやで」と言葉をもらった。負けはしたが自信を深めた夜から3カ月。堂々と10勝にたどり着いた。【阪神担当=中野椋】