年末恒例の「言葉の力」をお届けします。担当記者たちの心に響いた野球人たちの声で2023年を振り返りましょう。

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▽慶応・大村昊澄主将「自分たちが新しい歴史を作って、日本の高校野球とか日本の世の中にいい影響を与えたい」(1月4日、練習始めで目標を語った。この言葉から231日後、夏の甲子園で107年ぶりに優勝。「エンジョイ・ベースボール」を掲げ慶応旋風を巻き起こし、歴史を変えた=星夏穂)

▽龍谷大平安・川口知哉コーチ「開会式や校歌を聴いたときには涙ぐみそうになりましたが、今日はちょっとそういう気持ちとは違っていた。感動は自分のこと。もう戦闘モードに入っていた、ということですね」(3月21日、97年夏の甲子園準優勝投手が指導者として戻った甲子園で初戦の長崎日大戦前にノックを打ち、自身の感慨に区切りをつけた=堀まどか)

▽志学館・小川颯介外野手「小5のとき、練習がうまくできなくて。『かあちゃんが、俺をこんな手で産まなければ』と言ったときの母の悲しい顔は忘れない。この手は僕の個性。片手でも打って守れる。野球が僕を成長させてくれた。いつか両親に野球で恩返しをしたい」(先天性左手欠損で、右手だけで甲子園を目指した高校野球を振り返り=保坂淑子)

▽花巻東・佐々木麟太郎内野手「自分まで回ってくるなんて『本当に幸せだな』って思いましたし、仲間に支えられて自分自身もあったので、打席に入る前はみんなに『ありがとう』と思っていました」(8月19日、夏の甲子園準々決勝で最後の打者となったが、必死につないでくれたチームメートに感謝し、悔いなく大会を終えた=山田愛斗)

▽U18日本代表・馬淵史郎監督「今日だけ勝て。明日も明後日も負けて構わないから」(U18W杯の決勝の前に選手に向けた言葉。不利が伝えられる台湾戦を前に、勝負師の神髄を見た=柏原誠)

▽耐久・井原正善監督「粘り強くなかったんですけどね。最近は名前負けしていましたから」(幕末に創立した和歌山の超伝統校が来年センバツで初の甲子園出場を確実に。珍しい校名になぞらえて、選手の成長に驚く=柏原誠)

▽鹿屋体大・原俊太主将「神宮でカノヤの魅力を発信できたのはよかったですけど…本気で悔しいです」(初の全国大会となる全日本大学選手権に出場し、国立大史上最多タイの2勝。歴史を作った主将はそれでも、敗れて唇をかんだ=柏原誠)

▽BC埼玉・由規投手「現役をやめたいと思えないんですよね。どうしたら抑えられるかという探求心は多分、一生消えないし、試合で投げないと生まれない。だから自分の中でやめるっていう選択肢がないです」(9月2日、楽天モンキーズ退団直後に現役続行について台湾・桃園で=保坂恭子)

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