プロ野球の快記録や珍記録を振り返る「データで見る23年」。第9回はロッテのグレゴリー・ポランコ外野手です。

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巨人から移籍したポランコが26本塁打で、ロッテでは86年落合以来の本塁打王に輝いた。移籍1年目に本塁打王は今季の近藤(ソフトバンク)も含め10、11人目。巨人を移籍し打撃タイトル獲得は17年に打点王、最多安打のロペス(DeNA)以来5人目、本塁打王は54、56、57年の青田(大洋)に次いで66年ぶり2人目。青田が巨人を出て最初に獲得したのは移籍2年目だから、巨人退団翌年に本塁打王になったのはポランコが初めてだ。

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巨人を出た1年目に20本塁打以上も珍しく、50年白石(広島)20本、07年小久保(ソフトバンク)25本、15年ロペス(DeNA)25本に次いで4人目。26本塁打は最多だった。ポランコは昨季も24本塁打で、在籍2シーズンで2球団で20発。来日1、2年目が異なるチームで20本塁打以上は史上5人目で、リーグをまたいで記録したのは94年にロッテで23本、95年にヤクルトで29本打ったミューレンに次いで2人目となった。

最多本塁打も、白星にはなかなか結びつかなかった。今季は7月16日楽天戦と8月23日ソフトバンク戦で1試合3本塁打を記録したが、いずれもチームは敗戦。3本塁打した試合でシーズン2度も敗れたのは、史上初だった。本塁打を打った試合は11勝11敗の勝率5割。チームの勝率が5割7厘だから、打った時の方が低かった。2リーグ制後の本塁打王で、本塁打を打った試合が勝率5割以下は、13年バレンティン(ヤクルト)以来8人、9度目。Aクラス、勝ち越しチームからは初だった。チームの勝率を下回ったケースは、60年山内(大毎)61年長嶋(巨人)90年デストラーデ(西武)06年小笠原(日本ハム)に次ぎ5人目。こちらは優勝以外のチームから初めてと、珍記録が並んだ。【多田周平】