阪神岡田彰布監督(66)が奪首への布石を打った。12日からの中日3連戦(バンテリンドーム)に備えて、メンバーの入れ替えを決定。高卒5年目の藤田健斗捕手(22)をプロ初めて1軍に昇格させる。捕手3人体制を敷くことで代打の切り札・原口文仁内野手(32)らの積極的な代打策を可能にした。9日ヤクルト戦(甲子園)では異例の4連続代打でサヨナラ勝ち。攻めダルマと化した指揮官が、4連勝中のチームをさらに勢いづかせる。
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戦略家の岡田監督らしい一手だった。中日、巨人とのビジター6連戦を前に、捕手の藤田をプロ初の1軍に昇格させ、代わって中継ぎ要員だった西純の出場選手登録を抹消した。
「もう(7月上旬の)広島で言うてたんや。キャッチャー3人にしようかって。余裕ができたらな」。名古屋行きの新幹線へ乗り込む直前、指揮官はメンバー入れ替えの意図を明かした。「9人いらん言うたからな、ブルペンに。あれはな、広島とかで投げとったからな。補充せんと、と思っとったけど」。リリーフ陣に余力が出来た今、攻撃に人員を割く。勝負どころで選択肢を増やすためには…。その答えが藤田の1軍昇格だった。
9日ヤクルト戦(甲子園)では、1点を追う9回に怒濤(どとう)の代打攻撃を仕掛けた。野口、渡辺、原口、坂本と異例の4連続代打を敢行。「9回出し惜しんだってしょうがないからな」とカードを切り続け、近本の劇的なサヨナラ2点適時打につなげた。代打打率は2割3分2厘とリーグトップだ。
捕手出身の原口がベンチに座ることで可能だった捕手2人制。藤田が加わることで捕手が梅野、坂本と3人体制となる。そうなれば切り札・原口らを早期で投入する積極的な代打策が可能になる。「そら、いつでも行けるようになる。大山もライト守らんでええやろ」。もし9日に延長戦に突入すれば、一塁大山を右翼にすることも考えていた指揮官はニヤリ。「前川が(先発で)出だすとなあ、今左の代打が糸原1枚になってしもうたからなあ」。心配要素は減り、ここからさらに攻めの攻撃が可能となりそうだ。
オールスター中断まで残り3カード。先を見据えつつ、足元を見つめる。「まあ9試合やから、1個2個、貯金つくれたらええんちゃう」。現在首位巨人とは0・5ゲーム差の3位。1つの勝敗が順位にかかわる大混セ。1戦1戦を勝ち切るため、ズバズバとカードを切る。【磯綾乃】
○…大役を担うのは誰だ? 甲子園の100周年記念日である8月1日を含む7月30日からの巨人3連戦(甲子園)は「KOSHIEN CLASSIC SERIES」として開催される。岡田監督は「ちょっと100周年やからええピッチャー行っとかなあかんしな」と1日の先発を思案中だ。オールスター中断によりローテ再編の可能性もあり、記念日の先発マウンドに注目だ。
▼阪神は首位巨人、2位DeNAと0・5ゲーム差だが、12日の中日戦に勝っても首位浮上はない。巨人とDeNAが直接対決で、巨人が勝つか引き分けだと巨人が首位、敗れるとDeNAが首位に立つ。阪神が勝っても両チームに勝率で及ばない。阪神は2位から4位までの可能性がある。



