悔しい延長戦負けの中、阪神及川雅貴投手(23)が、6回無失点で後半戦の先発ローテーション入りへ大きなアピールを決めた。
3安打、4奪三振の快投。87球でプロ最長イニングを投げ抜いた。「低めにボールを集めることを意識することで、ゴロアウトも多く取れた。先発投手としての役目を果たすことができてよかったです」。言葉通り、ゴロアウトは7つ。リズム良く、スコアボードにゼロを並べた。
「緊張した」という立ち上がり。初回2死から連打を浴び、一、三塁のピンチ。5番上本を129キロスライダーで空振り三振に仕留めた。「一番心配な部分というか、中継ぎでは味わえない場所が初回。ゼロで抑えられたのは、自分にとってもチームにとってもよかった」と波に乗った。
2回から6回2死で野間に安打を浴びるまでは無安打投球。伊藤将の2軍落ちで空いた先発枠で結果を残した。1週間前まで中継ぎとしてブルペンに入っていたが、堂々たる投球。「思ったよりは大丈夫」とスタミナ面も問題ない。
前回先発した5月24日の巨人戦(甲子園)では、4回1/3を1失点の好投。ただ、左手中指のマメをつぶして緊急降板した。入念にケアし、再発防止に務めた約2カ月間。この日の登板後は「大丈夫です」と強調した。前回先発時に続き、この日も実家の千葉・匝瑳(そうさ)市から観戦に訪れた母直美さんを安心させるピッチングだった。
首脳陣は次回登板について明言しなかったが、23歳左腕は、後半戦の先発ローテーションに割って入ることができると証明した。先発としての初勝利はお預けとなったが「自分がこのまま抑えていけたら、めぐって来るものだと思っている」とやる気十分。敗戦の中で、明るい希望だ。【中野椋】



