ホークスにまた、育成の星が誕生した。5年目のソフトバンク石塚綜一郎捕手(23)がプロ初安打、初打点、初本塁打を放った。「7番DH」でスタメン出場。第1打席で中前打を放つと、第2打席は左翼ポール際に1号ソロをかっ飛ばした。19年育成ドラフト1位の右の大砲候補。チーム事情により22日から2軍へ合流するが、降格前に爪痕を残した。チームは今季5度目のサヨナラ負けで、優勝マジックは23のまま2日連続で足踏みとなった。
石塚が爪痕を残した。プロ通算8打席目。楽天内のスライダーを中前に運んだ。7月末に支配下昇格を勝ち取った苦労人。「スタメン発表のたびに打率が・000だったので。本当に恥ずかしい数字だった」と初々しく語った。
勢いは止まらず、第2打席は左翼ポール際に先制ソロ。今度は直球をスタンドにたたき込んだ。秋田県出身で、高校は岩手の黒沢尻工。「東北で打てたっていうことは僕の中で一番大きいですし、まずは1本出たのでホッとしているのが一番です」。地元の東北で初安打、初本塁打の記念球を受け取った。
幼い頃から母子家庭で育った。女手一つで育ててくれたのは母順子さん。働きながら野球を続ける環境を整えてくれた。「早く東北でプレー出来る選手になって家族にも地域の方々にも喜んでほしいです」。その言葉は現実になった。この日も母への感謝を忘れない。「もちろん記念球は渡します」。初安打、初本塁打を生んだバットも「家に送ろうかなと思います」。19年育成ドラフト1位で入団。プロ5年目、1軍の舞台で最高の恩返しができた。
今季は開幕前に支配下昇格した仲田、川村、緒方に加え、笹川、吉田、広瀬にもプロ初安打が出ている。小久保ホークスは首位独走中。無類の強さを誇りながら、この日は7人目のプロ初安打が生まれた。4年ぶりのリーグ優勝を目指す中、若鷹たちが異例ともいえる飛躍を見せている。石塚はチーム事情により22日から2軍合流。小久保監督は「今日最後にね。勝負できるという自信につながってほしい」と話した。代わって、背部痛を抱えていた中村晃が1軍復帰する。
今季9度目のサヨナラ負けで、決勝弾になるはずだった石塚のプロ1号は空砲に。10カードぶりの負け越しで、優勝マジックは23のまま2日連続で足踏み。23日からは2位の日本ハムとの敵地3連戦に臨む。【只松憲】
◆石塚綜一郎(いしづか・そういちろう)2001年(平13)6月7日生まれ、秋田県出身。黒沢尻工(岩手)から19年育成ドラフト1位で入団。高校通算39本塁打で、投手としても最速143キロをマーク。3年夏は岩手大会で36年ぶりの4強進出に貢献。今季はファームの非公式戦で打率2割8分、22本塁打、79打点を記録した。7月24日に支配下昇格。今季の推定年俸は500万円。181センチ、87キロ。右投げ右打ち。



