広島が、粘り勝ちで延長戦をモノにした。1点を追う9回に巨人戸郷から小園海斗内野手(24)が起死回生の同点打を放って追いつき、延長10回、矢野雅哉内野手(25)が巨人ケラーからの左前適時打で決勝点を挙げた。2位巨人との首位攻防戦を2勝1敗と勝ち越した。24日にも優勝マジック28が点灯する。
一塁ベースを回って、矢野は渾身(こんしん)のガッツポーズを見せた。延長10回2死二、三塁。巨人3番手ケラーから、ファウルで粘った末、7球目の154キロのストレートを左翼へはじき返した。三塁から菊池が歓喜のホームイン。首位攻防戦で、広島が巨人に2勝1敗と勝ち越した。
ヒーローインタビューで、矢野は「154キロなんて打ったことないと思うのでびっくりしている」と話したが、実は150キロを超える速球を誇る右腕ケラー対策を施していた。握り1個分、バットを短く持って打席に入っていた。だが実際に対面すると、剛球に2球空振り。この展開に「これは絶対まっすぐの高めのボール球を振らされるいつものパターンやなって」と気づいた。「そのボール球を捉えに行けば、バットに当たるな」。指2本分空けてさらに短く持ったバットで、カーブが来たら「来たときだ」と開き直り、まっすぐ一本に絞った。7球目の高めまっすぐを捉え、打球は左前へ。イチかバチかの勝負でもあったが、矢野は巨人バッテリーとの勝負に見事に勝った。
新井監督も興奮気味だった。「本当によく追い付いたし、よくひっくり返したと思います。相手もいいピッチャーで、それを追い付いて追い越して、逆転勝ちできるというのは、これは間違いなくチームの力が付いてきている証だと思います」と表情を崩した。完封負け目前の9回には、1死二塁から小園が巨人戸郷から起死回生の同点打。「みんな頑張ったが、その中で小園が同点で矢野が逆転打。若い選手の成長というのも感じます。素晴らしいゲームだった」。指揮官の手応えは、しびれる戦いを続ける中で、次第に大きくなってきている。敵地での劇的勝利。着実に歩を進める広島に、24日にも優勝マジック28が点灯する。【高垣誠】
◆広島のM点灯条件 広島は24日に優勝マジック点灯の可能性がある。24日に出る条件は広島が23、24日の阪神戦で○○、巨人が中日戦で●●の場合のみで、M28が出る。
▽広島小園(9回に巨人戸郷から同点適時打)「前回やられていたんで、その前の打席もやられていたんでなんとかしたいなと思っていました。チームのみんなでつかんだ勝利だと思います」
▽広島島内(5番手で1回を無失点で8勝目)「それはもう野手の方が打ってくれているだけなので。僕がどうこうできる数字ではないですけど、それだけチームが勝っているということなので、それはすごくうれしいです」



