巨人が雨中の「伝統の一戦」を制した。1-1の7回に阿部慎之助監督(45)が“バント攻め”に徹して2点を呼び込んだ。先発マウンドを託された菅野智之投手(34)が7回7安打1失点(自責0)、110球を投げ抜き、両リーグ単独トップの13勝目をマーク。7回終了時点で雨天コールドとなり接戦をもぎ取った。首位を走る広島に0・5ゲーム差のまま追走する。

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本降りになる4時間前だった。阿部監督はバックスクリーンでなびく日の丸と球団旗を見ながら「今日は雨が降るな」と予言した。右翼から左翼方向に吹く浜風とは逆の風向きだった。「左打者にとってはフォローの風。この風向きのときは雨が降るんだよね」と現役時代からの経験則があった。

風を読むことが試合を読むことに直結した。試合開始直後から霧雨は降り続いたが、徐々にグラウンドに水が浮いてきた7回に仕掛けた。先頭大城卓が左前打で出塁すると代走に増田大を送った。無死一塁から吉川の三塁線への絶妙なセーフティーバントと相手の悪送球で一、三塁と好機を拡大させた。

強まる雨脚を察知してムチを入れた。続く門脇には初球はスクイズの構え、2球目はセーフティースクイズを試みるもファウル、3球目はスクイズのサインを送るも決めきれずにファウル。追い込まれながら前進守備の二遊間を抜く、中前への勝ち越し適時打で均衡を破った。阿部監督は「ちゃんと決めていれば1点取れた。そこは反省して」と喜びもせずに次の一手を打つ。なお無死一、三塁から小林が初球にセーフティースクイズを決めて追加点を挙げ、ようやく「いいバントを決めてくれた」とした。

7回裏を守り切った直後に審判団が集まり、中断を経て、降雨コールド勝ちが決まった。阿部監督は「ああいう作戦は今後、増えていくと思います」と“バント攻め”の継続を予告し「とにかく、目先の1試合を大事に全力でね。みんなで戦っていきたいと思います」。雨ニモマケズ、首位広島を追う。【為田聡史】

▽巨人吉川(7回無死一塁から三塁線へセーフティーバントを決め) 何とか走者を進めようと。それだけを考えていた。門脇が粘って打ってくれた。小林さんはさすがです。

▽巨人門脇(7回無死一、三塁でスクイズを試みるも決めきれず、カウント1-2から決勝の中前適時打) 2つエラーもして、本当に投手の方に申し訳ない。(適時打は)何とか執念というか気持ちで。何でもいいので1点を取りたいという思いは持っていました。

▽巨人小林(7回無死一、三塁から三塁線へセーフティースクイズ) 大山がチャージをかけてましたし、西もフィールディングでいい動きをしてた。逆に、サードはチャージをかけづらいので。(三塁走者の吉川)尚輝を信じてやった。

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