国学院大のドラフト候補に挙がる最速153キロ右腕、坂口翔颯(かすが)投手(4年=報徳学園)が右肘の故障から、復帰登板を果たした。春季リーグ戦5月22日の先発以来のマウンドに「久しぶりの感覚で、いい緊張感でした」と、振り返った。

2点ビハインドで迎えた6回、先発の当山渚投手(3年=沖縄尚学)に代わりマウンドに上がると、真っすぐに「最近覚えた」というフォーク以外の全球種(スライダー、ツーシーム、チェンシアップ、カットボール、カーブ)を制球よく投げ、2回を無安打無失点。最後はチェンジアップで見逃し三振で締めた。「春から今日の復帰までに、チームにはすごい迷惑をかけてきた。投げるからには抑えるのは当たり前」。エースとして、力強く腕を振った。

春季リーグ戦中に右肘を痛め、チームを離脱。エースを失ったチームは、最下位争いをしながら5位に踏みとどまった。坂口は敗戦の責任を背負いながら、地道にリハビリを重ね、9月に入りシートバッティングに登板。この日の復帰に備えた。

1年秋には5勝をマークし、最優秀投手、ベストナインを獲得し、リーグ優勝に貢献。チームの大黒柱として支えてきた。現状について「正直、自分の一番いい時と比べると、数値的にも劣る。70%くらいかな。でも今、投げられる球を駆使すれば抑えられる」と、その手応えをつかんだ。

この試合を視察したロッテの榎アマスカウトディレクターは「腕も振れて、最後は146キロで見逃し三振。制球の良さが一番ですよ。変化球も投げられていた。投げはじめとしてはよかったんじゃないかな」と、評価した。

エースの復帰に、スタンドからは大きな声援が飛んだ。坂口は「ブルペンからマウンドに行った時、スタンドのチームメートの声がすごい聞こえた。心強かったです」。チームのために1球でも多く、腕を振る。坂口のラストシーズンが今、始まった。