ロッテ井上広大外野手(24)が、移籍後初安打となる1発で存在感を示した。「6番一塁」で今季初先発すると、同点の4回1死から前田健のスライダーを左翼席へ運んだ。「ずっと変化球で攻められていたし、ファームでも対戦していたので軌道のイメージはあった」と、追い込まれてから振り抜いた。阪神時代の24年9月21日DeNA戦以来2年ぶりの安打に「うれしさよりも、ここから続けていくことが大事」と冷静に話した。
昨年12月の現役ドラフトで阪神から移籍した。新天地で迎えた今季は開幕2軍も、ファームでは打率3割台と結果を残し昇格をつかんだ。前日28日にサブロー監督からスタメン起用を告げられ、「絶対に1本、2本を打つ気持ちで入った」と強い覚悟で臨んだ。
打撃フォームにも試行錯誤がある。昨季途中から取り入れた足を上げるフォームから、今季は再びノーステップに戻した。「パ・リーグは球速の速い投手やクイックの速い投手が多いので、タイミングが取りやすい。目線のブレも少ないし、飛距離も変わらない」と手応えを口にした。この日の1発も「自分の中では完璧に近い打球」と納得の当たりだった。
「スーパーマリオブラザーズ」とのコラボデーで、ホームインする際にマリオジャンプを披露し、スタンドを沸かせた。移籍当初は環境面への不安もあったが、「ファンもチームも温かくてやりやすい。違うチームから来た感じがしない」と順応。長打力を期待される24歳が、新天地で確かな1歩を踏み出した。【鳥谷越直子】



