<楽天5-4広島>◇10日◇明石

 おかえりなさい、建さん!

 2年ぶりに広島に復帰した高橋建投手(40)が、オープン戦(対楽天)に復帰後初登板した。5回に2番手で1イニングを投げ、2安打されたが昨季パ・リーグ首位打者の鉄平を打ち取るなど、無失点に切り抜けた。左ふくらはぎ痛のため出遅れていたベテラン左腕が、先発ローテ入りを目指してスタートを切った。

 真冬を思わせるような寒空の下、40歳のベテラン左腕が熱投した。2-2同点の5回裏、2番手でマウンドに上がった高橋は、楽天嶋、聖沢に連打を浴びる。犠打で1死二、三塁といきなり大ピンチを迎えた。しかし、いくたびも修羅場をくぐり抜けてきた男は動じない。続く高須を二飛、3番の昨季パ・リーグ首位打者の鉄平を、この日最速の138キロのストレートを内角低めに投げ込み、センターフライに仕留めてみせた。

 この日は1イニングのみの登板となったが、高橋は「とにかく0点に抑えられて良かった。打者と対戦できたことが収穫です」と振り返った。

 米大メッツから2年ぶりに古巣に復帰したが、キャンプ前に左ふくらはぎを痛めてスローペースでの調整が続いた。この日が今季初の実戦登板で、さすがのベテランも緊張したという。内容的にも満足のいく投球ではなかった。見守った大野ヘッド兼投手コーチも「しっかりとした投球とはいえなかったね。打たれたけど、どうにかしたという感じ」と辛口だ。高橋本人も「打たれた球は高い球と置きに行ったスライダー。この課題を修正していきたい」と反省した。

 相手ベンチには、広島監督時代、自分のメジャー挑戦を応援してくれたブラウン楽天監督がいた。同監督は、高橋が単身米国に挑んだとき、日本に残された家族の心配をしてくれたという。この日もあいさつすると「(家族は)元気か?」と声をかけられた。高橋は「ブラウン監督には感謝してます。(目の前で)元気なところを見せられてうれしかったですね」と笑顔で話した。

 この日の投球が、目指す先発ローテ入りにつながっている。次の登板は未定だが「4~5イニング投げられる気持ちはある」と意欲満々だ。大野ヘッドも「高橋も先発候補の一人」と認めており、結果を出し続けてそのイスを奪取するつもりだ。【高垣

 誠】

 [2010年3月11日10時24分

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