<巨人9-1西武>◇13日◇東京ドーム

 巨人藤井秀悟投手(33)が3連勝で原監督の500勝に花を添えた。7回を投げ、4者連続を含む9奪三振。西武打線を5安打1失点に抑えた。12日が33回目の誕生日で、1日遅れの自身へのプレゼントにもなった。

 初回、内角直球を見逃して三振に倒れた中島の驚きの表情が、この日の藤井の投球を象徴していた。日本ハム在籍の昨季、対西武は防御率4・30。決して得意ではなかった。打線の怖さを分かっているからこそ、直球はベース外側を通る見せ球として使うことが多かった。しかしこの試合では、ベースの上を通る内角直球を勝負球に選択。甘く入れば1発を浴びる危険のある球を、勇気を持って投げ込んだ。

 「(阿部)慎之助が球が走っているように配球してくれた」と振り返った通り、この球が刷り込まれた2巡目には、チェンジアップで西武打線の裏をかき、スライダーも織り交ぜながら、的を絞らせなかった。べテラン左腕の好投に、原監督も「非常に攻撃的で、精神的な部分でお手本になった」と称賛した。

 原監督への感謝の気持ちを常に抱いてマウンドに立つ。「一緒にやろうという話をもらって、熱い言葉に支えられている」。この日の勝利は最高の恩返しになった。【佐竹実】

 [2010年5月14日9時27分

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