<ヤクルト2-3巨人>◇25日◇神宮

 巨人アレックス・ラミレス外野手(35)の打球がバックスクリーンに吸い込まれた。2-2の7回1死走者なし。ヤクルト李恵践から勝ち越しの44号ソロを放った。「よく伸びてくれた」。直前の6回、追い付かれた。負ければ阪神にマジックが点灯する土俵際のチームを、ひと振りで救った。

 1回の先制打とあわせ、2打点。本塁打争いではトップの阪神ブラゼルに1本差に迫った。10試合アーチがなかったが、その間は40打数14安打。4月終了時に2割3分7厘だった打率を3割に乗せた。

 勝利優先の結果だ。シーズン終盤となり「本塁打ばかり狙うと3割に届かない。ヒットを打って打点を挙げることを考えている。それがチームに貢献することだから」と明言した。打率が低迷した春先も、先を見据えていた。「今はタイミングを狂わせられているだけ。感覚が戻れば打率、打点、本塁打すべてで良い成績を残せるよ」と自信は失っていなかった。

 全員で勝利をもぎ取った。デーゲームで首位中日が先に勝利。2点リードの5回2死から藤井が走者を出すとマイケルに継投。なりふり構わなかった。原監督は「投手も含めた守りで2点に抑えたのが良かった」。26日、中日が勝ち巨人が負ければ巨人の優勝は消滅するが、ラミレスは「自分の試合に集中するだけ」。可能性のある限り、闘志は消さない。【古川真弥】

 [2010年9月26日8時49分

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