右打ち捨てた!

 中日井端弘和内野手(35)が、代名詞ともいえる職人技を捨てレギュラー奪回を狙う。7日は休日を返上して打ち込んだ。これまでの井端像を1度壊してまで出直す決意を、ベテランには異例の行動で示した。

 北谷球場に隣接した屋内練習場。だれもいない空間を、井端が静かなオーラをまとい支配した。大島を伴い、まずはランニングやストレッチを約30分。しっかり汗をかくと、バットを握りマシンと向き合い約40分、黙々と打ち込んだ。

 井端

 キャンプ前からやると決めていた。いくつか変えているところがある。休んだら忘れそうなので。今年は(左方向へ)引っ張る。去年は窮屈にやりすぎた。楽に打つというか、シンプルに考えたい。

 プロ14年目、今年36歳になる実力者が打球方向も力強く若返らせるつもりだ。屋内での打撃はヘッドを利かせ、左方向のネットに突き刺さるようなものが多かった。

 昨季は右目の不調で戦線離脱。その間に、堂上直が成長。今季は落合監督から、レギュラーは白紙だと宣言されている。「去年は野球をやってない」。力強い左方向への打球とともに、二塁=井端と周囲に知らしめる。右打ちの看板を下ろすこともいとわない、固い決意だ。

 「次の休みも練習するつもりです」。6勤1休の超ハードなキャンプ。第1クールで連日早出と居残りを敢行した男は、長丁場のキャンプを事実上「無休」で乗り切るつもりだ。シーズンを今年こそ「無休」で過ごすため、“解体的出直し”を図る。【八反誠】

 [2011年2月8日10時49分

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