<オープン戦:阪神0-1オリックス>◇26日◇安芸

 ダイナマイトは変幻自在!

 阪神マット・マートン外野手(29)がオープン戦開幕試合となる26日オリックス戦(安芸)に6番右翼で先発し、右翼線二塁打で発進した。1番、3番で214安打した昨季から、勝負強さを生かす6番起用の可能性も広げた。マルチ・マートンが「出る」「つなぐ」「かえす」の1人3役をこなす。

 スコアボードの「6番マートン」にランプがともる。すかさず外角高め直球を逆らわずにスイング。ライナー性の飛球が右翼線を抜け、超満員3742人で埋まった安芸は大騒ぎだ。その瞬間、ダイナマイト猛虎打線に新たなオプションが生まれた。

 マートン

 6番という打順かい?

 ゲームの中で来た球を打つだけ。打順はそれほど気にしてないよ。

 ニッコリ笑顔で振り返った。来日2年目のオープン戦開幕試合。定位置を離れ、6番右翼で先発した。

 昨季は1番か3番を主戦場とし、日本記録のシーズン214安打を達成した。にもかかわらず、新たなポジションに挑戦した。もちろん「降格」ではない。あくまで今季も1番が基本線だが、シーズン中も6番マートンのプランはあるようだ。

 真弓監督

 ないことはない。1番を任せられる打力があるセンターがいれば、可能性はある。

 安打製造機は昨季、クリーンアップ級の91打点もマークしていた。打線がぐっと厚くなりそうな「6番マートン」は俊介、坂、柴田、浅井という中堅争いの勝利者が1番打者を務められる場合、という条件付きではある。ただ1番、3番とは違うメリットも確実。「飛ばない」統一球の導入で得点力減も予想される中、6番ならマートンの勝負強さを最大限に生かせる。強力打線のオプションの1つとして戦略に浮上した。

 和田打撃コーチ

 今日みたいに足を絡めないと点につながらないとなると、マートンをかえす方に回す可能性も出てくる。早い時期にいろいろ試さないとね。

 マートン本人の適応力は抜群だ。今季初戦の二塁打は、2回1死の第1打席。3ボール1ストライクからオリックス左腕中山の外角直球をミートして右方向に運んだ。日本レコードホルダーの広角打法は健在。ロックンローラー矢沢永吉ばりに決めた。

 マートン

 アイ・フィール・オーケー!

 今の時期では順調。オープン戦序盤のテーマは「外角球をいかにしっかり打てるか」。1打席目にそれを出せた。練習でやっていることを洗練させていきたい。

 ダイナマイト打線をけん引した昨季から、さらに多様な役割を期待される。1番で「出て」3番で「つなぎ」時には6番で「かえす」。マートンが1人3役をこなせば、虎のオーダーは変幻自在に破壊力を発揮する。

 [2011年2月27日11時54分

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