クリス・ジェリコ。47歳。99年に加入したWWEでスーパースターとして今も人気抜群のロンゲ金髪イケメンである。最近は年齢を重ねるごとに色気も増し、WWEマットで確固たる地位を築く。そのジェリコが来年1月4日の新日本プロレス東京ドーム大会に参戦し、IWGPUSヘビー級王者ケニー・オメガ(34)に挑戦する。この衝撃的なカードを前に、4つのキーワードでジェリコをおさらいしておきたい。
<1>WWEグランドスラム達成 01年にWWEが管轄する主要メジャー王座をすべて1度以上獲得し、グランドスラムを成し遂げた。特筆すべきは同年12月、当時の2枚看板スターだったザ・ロック、スティーブ・ストーンコールド・オースチンを1日で連破する快挙で、史上初のWCW・WWF統一王者にもなった。
<2>Y2J ジェリコのニックネーム。00年になると世界的にコンピューターが誤作動する可能性があるとされたY2K問題がジェリコがWWEに加入した99年ごろに大きな話題に。ジェリコ自らも世界中を混乱させる存在になりたいとの願いを込め、最後のKをイニシャルのJに変え、Y2Jと名乗った。現在もジェリコが登場すると観客からY2Jコールが起こる。
<3>ライオン道 20代だった90年代は日本マットにも積極的に参戦。天龍源一郎率いるWARでは「理不尽大王」冬木弘道率いるユニット冬木軍に加入した。メンバーは現新日本プロレスの邪道、外道。冬木を全員が最後に「道」があるため、ライオンハートというリングネームをライオン道に変えた。当時は邪道、外道、ライオン道の3人が消化器発射で冬木を助ける「消火器三連射」が話題になった。
<4>バンドボーカル ヘビメタバンド「FOZZY」でボーカルを担当。音楽活動に専念するため、05年からWWEから離脱したこともある。07年に復帰し、09年レッスルマニアでは米俳優ミッキー・ロークとも対立した。その後、二足のわらじのために退団と復帰を繰り返している。まさに風来坊的な動き。今回もWWEとの契約の間隙(かんげき)を縫って新日本マットに参戦可能となったようだ。
今年4月、WWE最大の祭典レッスルマニアに出場し、US王者としてケビン・オーエンズと対戦。最近でも同7月のスマックダウン・リッチモンド大会に参戦し、当時のUS王者オーエンズ、AJスタイルズととともに3ウエイ戦に出場するなどWWEの現在進行形選手だ。約1年前からクリップボードに挟んだノートに嫌いな選手を書き込む「リスト・オブ・ジェリコ」を展開。今月12日の会見で本紙記者のノートとペンをむしり取り「Omega Last Match」と書き殴ったのも、オメガがリスト入りした予告でもあるとうかがえる。
戌(いぬ)年の年男(米国に干支の慣習はないと思うが…)イヤーを迎えるY2Jが東京ドーム大会で大混乱を巻き起こすことは必至だろう。世界中のプロレスファンが注目するオメガ戦は、まさに「狂犬」のように激闘を繰り広げてくれるような気がしてならない。そう期待してしまう。【藤中栄二】


