スーパーバンタム級を制した飯見嵐(21=ワタナベ)がMVPを獲得した。

 5月のデビューから3勝(3KO)で、7勝(6KO)の浜田力(21=本多)との全勝対決。

 飯見は名前の嵐のようにゴングと同時に攻め立てていった。この突進に相手はいやがってクリンチにもかまわず攻めた。2分すぎに右のオーバーハンドの打ち下ろしでダウンを奪うとレフェリーがストップ。1回2分15秒TKOで仕留めた。

 飯見は「パンチも作戦も練習通り。2回までは譲らずにいこうと思った。あとは根性と気合」と、宣言通り相手に初黒星をつけた。小6の時に叔父が通っていた地元のジムに連れて行かれ、「練習を見て、格好いいし、ケンカも強くなりたい」と通い始めた。練習生が1人のこともあり、16歳でジムを離れた。高校中退でとび職などに就いたが、18歳で再び通い始めた。

 「いまのままでいいのか」と自問自答するようになり、「常に頭にあった」というプロボクサーになることを決意した。地元では本気になれないと東京に行き、ワタナベジムを見学した。そこで新旧世界王者の内山と京口の練習に衝撃を受けて、寮もあるため1月に入門した。京口も「弟子」とかわいがり、「練習通りでよかった。鳥肌が立った」と絶賛した。飯見は「名前負けしないよう全日本もとる」と誓った。